The BAMBOO BROOM DIARY entries from 2016.

January 2016

January 1, 2016

January 1, 2016

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2016/1/1 : あけましておめでとうございます。(きのこ)
新年、あけましておめでとうございます。
昨年は多くの方達に助けられました。
ご恩に報いられるよう、今年も勤めようと思います。



―――さて。

やってきたぜ、星5確定ガチャが!
ワタクシそれなりに課金兵でして、星5サーヴァントはそれなりに揃っているのでございます。
その中で妙な偏りがあって、ドレイク姐さんとジャンヌが宝具レベル5、という状況でして。
この二人以外であれば誰が出ても嬉しい。メチャクチャ嬉しい。それだけで2016年がんばれる気がする。
そんな思いで確定ガチャを回したところ、出ました。

黄金の絵札・ライダーがな!

やったぜ、今年もよろしくお願いします!
2016年中に人理定礎が完全に修復されるコトを祈って!(強がっているが涙で画面が見えないきのこ)


January 3, 2016

January 3, 2016

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2016/1/3 : 正月で仕事が休みなので……(きのこ)
愛すべきぽんこつヒロインしかでてこないRPGで遊んでいたらネタが思いついたので書いてみる。



■没シナリオ・清姫異聞録#FG

『それは異世界からの人理焼却と戦いながら、
 無理心中界への夢を追い掛けるヤンデレたちを描くRPG』




・カルデア通路にて

荊軻「おや? 安珍殿は新年の初詣には行かないのか?
   独りでは淋しい、般若湯の相手がほしい、というのであれば私が付き合うが?」
安珍「……そのような」(憂いをおびた微笑み)
ステンノ「あら安珍様。こんなところでひとりでお祈りなんて……
     祈願は他人に見られては意味がない、善行は忍もの……
     という東洋的な考えなのね。フフッ、美しいわ。
     戯れの生贄がほしかったのだけど、貴方の清貧さを汚す訳にはいかないわね」
安珍「……そのように」(憂いを帯びた伏せ目)
マタ・ハリ「キャー、ものすごい美形のお兄さんはっけーん!
      これは事件ね、事件よマルガレータ!
      久しぶりにSPY無しで夜の会話を楽しみたい超重要人物にエンカウントだわ!
      あ。でもアナタ禿頭ね、禿頭だわ!
      キャー☆頭がペタペタする、ペタペタ! まっはー!(ラム酒くさい吐息)」
安珍「……そうですか」(憂いを帯びた伏せ目)


 ああ安珍、美しき魔僧よ。
 カルデアの通路にふらりと現れ、
 女性陣の誘いを柳の如き佇まいでやんわりと流す姿には
 野に咲く花ですら見惚れよう。


玉藻「安珍さんってクールですよねぇ。清姫さんが一目惚れしちゃうのも仕方ありません」
スカサハ「うむ。まさに香(こう)のような美貌の男よ。
     厳かな佇まいながら匂い立つ色気……これはディルムッドの立場も危いうか?」
カーミラ「いえ。その論点なら安珍に軍配があがるのではなくて?
     性根はアレとはいえ、外見は非の打ち所のない美少女に夜這いをかけられても
     一瞬の迷いなく自制するのですもの。鋼の精神力と言わざるをえないわ」


 おお安珍の評価留まるところを知らず。
 まさに風雅清貧、客塵煩悩恐るるに能わず。
 遠目から見守る妙齢の美女たちも癒やされる。


小次郎「……さて、餅はうまいことマルタ殿の備蓄から頂戴したが、
    あとは七輪か……女狐の工房に使えそうなものがありそうだが、さて」


 そこへ現れる風来坊。
 ふところ寒く星も少なく、禄食む立場でもないものの、
 日々安寧と過ごすはぐれ雲。
 徳高い安珍、いてもたまらずこの無頼漢に説法を説く。


安珍「これは小次郎殿、奇遇ですね。もしやここを通るのではないか、と今朝から佇んでいたのですが奇遇ですね。新年となると私も僧として思うところはあるのですが、今や人理焼却の危機、カルデアの一員として我を滅しご奉公する所存なのです。ですのでどうでしょう、これから共に戦闘訓練をするというのは。は? 餅が食べたい? 正月から棒振りなどするものか? ……これは……なんという……なんという気負いのなさでしょう。達人の位に達していながらその謙虚さ、この安珍、ますます憧れるばかりでございます。それでしたら茶屋になど行きませぬか。あの剣轟渦巻く特異点Xも小次郎殿のご活躍で平穏を取り戻しました。あの燕は強敵でしたね。そして途中にあった茶屋の一つは私の行きつけ。看板娘に好かれているので勘定もないのです。いえ、私は迷惑なのですが。ところでこの茶屋には休憩用の部屋もありますので、一服の後は男同士、ゆるりと話をするというのは―――」


 饒舌。あまりにも饒舌なり安珍。
 というか安珍。
 おまえな安珍。


女性一同「ああ……清姫に手を出さなかったのってそういうコト……」
清姫「うわぁぁぁああん!(涙)
   焼き尽くせバーニング安珍ーーーーーっ!」


「まあまあ。安珍さんは我ら外道聖職者の中では一番の小物ですから」
「乳魔神は黙っていろ」


 ◆


 などというミニイベントが一章プレイ時に頭をよぎったが他にやる事が山ほどあるので考えるのをやめた。

 余談ですが、玉藻のキャラクエで清姫についての言及がありますが、あれは「清姫がかってな勘違いでマスターに捨てられたと思い、メル友のタマモに相談している」という話。
 清姫は
 「ささいな勘違いから捨てられたと思う」→
 「バーニング安珍状態になる」→
 「自分の勘違いだったと気づいて喜ぶ(あるいはぐだーずの神回避で事なきを得る)」→
 「ささいな勘違いから捨てられたと思う」→
 を繰り返すと思われ。
 しかし蛇は蛇でもウロボロスではないので永遠には繰り返さず、何十回目かの試練の後に精神的に成長し、良い妻としてマスターを支えるのであった……というのがきのこの脳内妄想なんだけど、キミはどう思う?




 ◆

 さて、今日の本題に入りますよ。
 ついに実装されたカルナのEX攻撃について。
 実は直前まで普通のEX攻撃だったんだけど、デライトワークスのスタッフがマジで頑張って、ギリギリで『目からビーム』を実装してくれたンだ……ッ!
 ありがとう……本当に感謝の念しか浮かばない……おかげで今回はスルーしようとしたのにのたうち回る事になったけどありがとう……!

 なので、こちらも頑張りには頑張りで応えるゼ。
 今回の遊佐さんの収録時には録っていなかった「あの台詞」ですが、できるだけ早いうちに再収録の機会をいただいて実装したいと思います。
 ずいぶん先の話になると思いますが、CCCからのカルナユーザーさんには気を長くして待っていただければと……!
 


January 14, 2016

January 14, 2016

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2016/1/14 : 結晶(きのこ)
PS4版オーディンスフィア、発売だよーーーー!


そんなわけで帰宅後、ちょっとだけ触ってみたんですが……

あのな。オーディンは10年前の時点ですでに美術・物語・演出・人物像(ボイスアクター含む)が100点オーバーだったんだ。
欠点はゲーム性が弱い(それでもプリクラから比べたら格段の進化だったが)こと、その一点につきたんだ。
その欠点がリメイクを経てかんっぜんに無くなっている。アクションがメチャクチャ気持ちいい!グウェンドリン儚い可愛い!メルセデス儚いエロい!ベルベット痴女エロい!奈須きのこ脳内ランキングにおけるマイベスト川澄・マイベスト能登・マイベスト沢城、夢の共演!

もうこれ至宝扱いしていいんじゃねえかな……。
一月かけてゆっくり遊ぼうと思ったけど、
今週の土日は現実に返って来られないないなこりゃ……


PS4持っていてオーディンスフィアをプレイしたコトのない方はこの機会に是非購入してほしい。
なにより十年を経てかつての名作がプレイできるコトを喜びたい。
本は図書館に入るけれど、ゲームは“その年代に遊んだ人間”にしか届かない。
多くの名作たちがハードの終わりと共に忘れ去られていく中、
名作が“今の時代のゲーマー”に届けられるサイクルは大切だと思うのです。



十年たった今でも他の追随を許さないセンス。
かつてのヴァニラと、
朧村正とドラゴンズクラウンを経た新しいヴァニラのコラボレーション。
フォールアウトはアメリカ人オタクにしか作れないゲームだけど、
オーディンスフィアは日本人オタクにしか作れないゲームだったに違いない。

January 21, 2016

January 21, 2016

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2016/1/21 : 無題。(きのこ)
SWパロをやると思ったか?
フハハ、この時期にそんな恐ろしいコトできるワケがないだろう、ヴァカめ!
だからせめてタイトルだけ。
正体はただのユニヴァースですよ。




で、ちょっとだけ余談。
素材集めクエストで出てくる連中はすべて「ユニヴァース界からきたものたち」です。
あっちらの世界観ではみんなああいう名前とキャラ付けなのです。

音楽魔アムドゥシアスPによってプロデュースされる金星獣エリchan。
プレミアムペリカン号に乗って宇宙を旅するレディ・スカーレット。
ケルト野蛮惑星で今日も求婚者たち相手に無双するサベッジクイーン。

そんな感じ。
シナリオ中にXが赤マントを妙な名前で呼んでいたのも、
彼女にとってあの顔は「エミヤ」ではなく「レッド」だからなのです。分かるか、こんなの。

February 2016

February 7, 2016

February 7, 2016

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2016/2/7 : 無題。(きのこ)
先祖(おや)の因果が子に酬い。
長い眠りから覚めたカレン(おんな)を待っていたものは、
原始レベルに後退したダメ人間たちがヒャッハーする荒野と、
人間を哀れむレベルまで達観した魔物たちがひっそりと暮らすバッドエンド後の世界だった。

「わたしのお父さんはマジでダニ。全部わたしに押しつけて逝ったもよう」

精神に直接語りかけてくる怪しい精霊……どのシリーズでも基本アドバイスだけで特にアクションはせず、それでいてわりと元凶なぽんこつ。こいつが創世の一柱ってだけでわりと詰んでいる……の勧誘をクールにスルーし、銀髪のクールビューティーはいろいろ四角い世界に飛び出した。

目標:雪山の頂上に自分好みのデス教会を建築する。
うまくいった暁には名前をハーゴンと改名し、
雪山に囚われた悲劇のヒロインごっこをするため、
カレン(おんな)は人類を救う大偉業に乗り出したのであった……!


  ■■■

そんなワケでドラゴンクエストビルダーズをね。
土日だしね。はじめてしまったんですけどね。

これメッチャ面白い……!

はじめは土を削って土を盛る、という砂場の遊びしかできない主人公が
トントン拍子で(テンポよく)様々な加工技術を覚え、
二時間もすれば一つのコミュニティを造ってしまえるのです。
シナリオという方向性(ガイドライン)がそれを強制するため
やらされてる感は強いものの、同時に得られる「システムと遊んでる感」は
ここのところ無かった感覚でした。


加えて、シナリオ……というか根っこにあるテーマが面白い。
なぜ世界は滅びたのか。
主人公は何者なのか、というのはドニクエ1をクリアしたプレイヤーなら冒頭五分で把握できます。
問題はそこからの話の転がし方でした。

主人公は祖先が何者なのか、何をしたのかも知らないまま、地上に唯一残された知恵者として荒野に放り出されます。
やれる事といったら土や草、木を破壊して素材にし、積み上げるだけ。
そうして積み上げた「街らしきもの」に集まってくるその日暮らしの人間たち。
彼らは主人公に様々な期待と欲望を押しつける。
主人公もそれに応えるためにより多くの自然(資源)を持ち帰る。

この時点でテキストでは何も語られませんが、プレイヤーは当然気がつくのです。
「あれ? これ、資源集めてくるのが自分ひとりだからまだいいけど、
 大勢でやったらこのマップ一時間で何もなくなるな」と。

より高度な人間の街を作るために、世界から多くのものが失われていく。
そんな中、
はじめは原始人レベルだった人々が、町の発展と共により高い生活水準を求め始めます。

もっと高い壁を。
もっと広い部屋を。
もっといい食事を。
もっといい洋服を。
もっといい住人を。
もっともっと、もっともっといい“何か”を。

彼らには悪意はありません。
ただ“そうできたらどんなに幸福か”と夢を見るように主人公に依頼してくるのです。

そうやって街が広がっていくにつれ、主人公は誰のものとも分からない夢を見始めます。
まだ平和だった人間世界で、街の人々に「勇者」と呼ばれる何者かは多くの人々にこう話しかけられます。
「あなたがいれば大丈夫なのですね?」
「あなたがすべてを解決してくれるのですね?」
「あなたの活躍に期待しています」
「さあ早く、我々のために外に出て戦ってきてください」

……その後の勇者に何があったのか、主人公はまだ知りません。
もしかしたらゲーム中ではっきりと語る事はないかもしれません。
でも、ここまで多くのピースを提示されたプレイヤーは思うでしょう。
ドラゴンクエスト1の最終場面、りゅうおうとの会話のさい。

「わたしにしたがえ。世界のはんぶんをおまえにやろう」
→はい
→いいえ

―――高き壁に囲まれた人々よ。
おまえたちは世界を滅ぼしたその選択を嘆いただろう。
だが、勇者にまっとうな心あればこう問い返したのではないか。


私がどうして「はい」を選んでしまったのか、ではなく。
あなたたちはどうして、「いいえ」を選んでもらえると思ったのです、と。



……とまあ、こんな感じの自分好みの解釈・妄想がたぎってたまんないのが
今作の長所の一つ。

これ、どうも祖先がしでかした贖罪の旅っぽいけど、
そんなのわたし(カレン)には関係ない! 
いま、自由気ままにこの終わった世界を生きている!
ワールドエンド系とか飽食気味だったし、これからはワールドリビルド系だよね!
とはしゃぎながらおおきづち片手に資源を乱獲するカレン……ロックだぜ……

「はじめての部屋は無意味に壁を5ブロック積み上げたけど、
 見づらいので速攻壊してピリンを長時間野ざらしプレイにしてやりました!」

 ビルダーなんてそれでいいんだよ。
 おまえ……最高に格好いいぜ……


 ■■■

ドラゴンクエストというゲームは昔っから
皮は子供向け、中身は大人でも楽しめる寓話的な世界観が骨子にあるんですが、
「自然を壊して資源にして」「街を作り上げていく」というゲームシステムが
その寓話性をより際立たせています。

子供向けと侮るなかれ。
これ、当時ドラクエ1にはまったユーザーの方が、
“大人になった自分への”ドラクエとして楽しめる快作です。

お時間が興味があったら是非プレイを。
そんで建築脳を鍛えたら次はマイクラかテラリアに手を伸ばすのもキミの自由なんだけど、
本気で時間泥棒だからご利用は計画的にネ!

February 9, 2016

February 9, 2016

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2016/2/9 : ブライド!(きのこ)
2016年、ついにワシが本気を出す時が来たようじゃな……

いや正月とニコラで既に本気だして敗北しているがそれはそれ、負けてるのでノーカン。
今度こそ勝つのでいやほんとマジで。


さて。FGOでバレンタインイベントが公開され、ネロ・ブライドが初登場となりました。
カルナ同様、別作品で既に知られているサーヴァントの体験イベントは戦闘だけで
内面には踏み込まないのですが、ブライドに関してはここでちょっとだけ補足します。


ネロ(SR)はデフォルトのネロ。
EXTRAからのイメージをそのまま引き継いでいます。

一方、ネロブライドはFGO調整が入っています。
奏者と出会っていないイフのネロとして扱われています。
つまり、何が言いたいかと言うとだな―――



今回は  おまえ(プレイヤー)  が  本命  だ。



せっかくバレンタインだしね、これぐらいのハッピーがないとねヤッホー!

そんなネロ・ブライドの絆5ボイスですが、
これは奈須がワガママを言ってタイムロックをかけさせていただきました。
そこまで勿体ぶるものではないのですが、バレンタインイベントが終わった後に聞いてもらった方が記念になる……
とギリギリで思いとどまったからです。
バレンタインイベントにはまったく関係のないものですが、
バレンタインが終わった後、最後のオマケとして楽しんでもらえればと。


 ■■■

一方、EXTRAからのユーザーの皆様におかれましては、

「その服装はCCCの後じゃないか! 関係ないとかありえない!
 BBは? メルトは? リップは? あ、キアラさんは倫理的にまずいんでお帰りください」

 とか、

「つまりネロX? もう意味が分からないよ。
 それより無銘とエミヤの分け方とかどうなってるの!?」

といった意見もありましょうや。
でもそういうツッコミはキラキラ輝いて防ぐきのこ。

いま説明した通り、ネロブライドはFGO調整されていますが
もしいつかCCCイベントとか発生したらその時は潔くCCC出典キャラとして
振る舞うのでよろしくネ!(最悪の開き直り)




大丈夫……難しく考える必要はないのです……
ようは奏者へのデレかたと、
皇帝として伴侶に対するデレかたの違いなのです……
つーかネロブライドを引いた時、あなたの魂はこの次元から離れて不思議な空間に迷い込みぐだおとハクノは同一存在となってそのあたりの問題を曖昧にするのです……


あと赤マントアーチャーだけど、あいつ、アルトリアといるとstay nightに、
EXTRA勢と一緒に出ると無銘に、という書き分けがなされています……面倒くさいですね、そうですね……


February 20, 2016

February 20, 2016

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2016/2/20 : らっきょ!(きのこ)
惑星グンタマ。それはエーテル宇宙の辺境といわれる最果ての星。
見渡すばかりの田園風景っつーか田園しかない星で、今日も広大なトウモロコシ畑を運営する少女・X(仮名)。
何もないが穏やかな毎日を送る彼女は、しかし静かに憤怒していた。
グンタマ唯一のテレビ局であるイングランド通信が、
ここのところおかしなニュースばかり流してろくすっぽアニメが見れられないのだ。
いま、エーテル宇宙は未曾有のヴィランブーム。
誰も彼もが悪の超人として好き放題暴れ回り、事件報道に暇がない故である。

原因ははっきりしている。かつて一代で帝国を築いた偉大な王様がいたのだが、
その王様ったら唐突に「飽きた」と何もかもホッポリ投げて姿を消しはや十五年。
無政府状態になった銀河中枢は非道無法がまかり通るデスエンパイアになってしまったのだ。


「―――あ。姿を消した偉大な王様って、うちのダメ父だこれ」


アニメを差し置いて放映されるニュースを見て、
少女は自の出生の秘密になんとなく気がついてしまった。
あと銀河を荒らしているのは父が組織したコスモ騎士団のバカ共だった。

「他人事なら無視できましたが、身内の恥では看過できません」

少女Xは宇宙船を購入するためにグンタマ唯巨大コーポレーション『しまりん』に訪れるも、
そこでいけすかない近所のお兄さん・マーリン(しまりん会長)とバッタリ遭遇。


「曰く付きの品物だから安くしとくよ?
 ていうかこれ買わないと先月の貸付金を取り立てるよ?」


と中古の宇宙船ドゥ・スタリオンⅡを押しつけられるのだが……


次回 セイバーウォーズ 第二話
「二刀流? はあ、やってみたらできました」にエックスカリバーー。



   ■■■

とかゆう与太話が浮かんでは消えていく昨今、いかがお過ごしでしょうか。きのこです。
はい。発表されました、FGOのコラボ相手が。
『空の境界』……『空の境界』……だと……!?
なんかこう新規のプレイヤー獲得とか知らねぇ、
オレたちはオレたちの見たいコトしかやらねぇ!
とスタッフに力説されて、「それじゃあまずは身内からクズしていくか」と私も覚悟を決めた結果でございます。


まだ詳細は明らかにできないのですが、まあ、その、なんでしょうか。
FGOスタッフに原作者がいる以上、原作者が出張るしかないと言いましょうか。
ともあれ、未来福音以来の両儀式を楽しんでいただければ幸いです。
が。


「空の境界? らっきょ? なにそれ、みょうが?」


という方も多いと思います。
そんな方には、現在星海社さんで連載している「漫画版・空の境界」がお勧めです。
祝コラボ、というコトで無料配信してくれています。ありがてぇ……!
天空すふぃあの筆が冴え渡る漫画版は、間違いなく傑作コミカライズの一つだと断言できます。
キミよ、『星海社 最前線』でぐぐれ。
ついでに原作既読組も最新話はきっかりチェックしてほしい。
天空さんによるライダースーツ姿の式がな、なんかもうこの世の春すぎてダークソウル3まで時間が飛ぶのでは、と錯覚するぐらいカッコイイ&可愛いから!


 ■■■

ところで新しいFGO法則に気づいたのだが、新説して発表して許されるだろうか。

Xとは即ち、増えすぎた種を調停する自浄機能だとしたら。
キャラはまずオルタ化し、その後に系統樹を瞑想してリリィ化し、その果てにX化という現象を招くのではないか。
であれば―――次にX化するのは、リリィを既にクリアしたあの若奥さ―――!※手記はここで途切れている


(※エリザベートとタマモの差分は含まず。あれははじめからXみたいなもんです)

March 2016

March 3, 2016

March 3, 2016

Partial translation:
Alright, let's talk about some of the behind the scene stuffs. Since it's the long waited collaboration, we decided to split the story into 2 parts. The story from floor 1 ~ 5 is serious and fit to FGO theme. The story from floor 6 ~ 8 is everyone’s favorite fluffy space.
The story about Mephistopheles and Jekyll in this event is a reflection of KnK story. If you already read KnK, you might find references to certain character in KnK. If you like the writing in this event, you might find KnK interesting too.
Although we got some interesting concept, the story for floor 7 and above is just chaos. I can only say it’s Type Moon’s cancer, forgive me. In all honesty, we wanted to write Shiki’s daily life and this is the only place we could do it. In another word, it’s like Hollow (Ataraxia). We ended up writing a story that is 1.5x more than originally planned.
There is a reason why that girl in room 804 got new skills. For instance, she learned invulnerability by eating Red’s fried rice. She wanted to look good in front of admirable Babbage and learned to revive herself from death. Right, it has nothing to do with Ninja (her two new skills are named Ninpou: Invulnerable Lunch and Ninpou: Death Guts). As such, you may find her skills/ninpou changes depending on her team in the future.
Also, that room 801 stuff (Nobu room) is something I wanted to do since Honnouji event last year.
“Hey Mr.EXP*, I want to do a Gudaguda short conte here and I will leave the writing to you.”
“Ehh~~! We finally got some serious story, you want me to add comedy?"
“Don’t you worry boy, I also want to give my beloved Frankenstein a chance to shine and I will let Higashide to handle it, muwahahahaha! Rejoice! You are not the only one!”
"That's just cruel! At least give rider a part too!"
"Just give up on that, rider is not getting a part here"[Translator 1]

2016/3/3 : 夜明け。(きのこ)
こんにちは、きのこです。

空の境界コラボ、これにて折り返し。
メインシナリオが終わったプレイヤーも多いと思われますが、終わった方はのんびりとお楽しみください。
自分はやっと七階が埋まったよ!


では舞台裏の話を。
今回はせっかくのコラボというコトで二部構成と相成りました。
FGOの内容にそったシリアスな内容である1~五階までと、
それはそれとしてみんな大好きふわふわ空間の6~8階です。

今回スポットをあてたメフィスト(あとジキル)の出来事は、空の境界という話の合わせ鏡のようなもの。
らっきょ未読の方にはFGOの話として、
らっきょ既読の方にはある人物の語りとして映ることでしょう。
「今回のテキスト、ちょっと好きだな」
と感じたら空の境界もいけるかもなので、なんか暇になったら読んでみてくだされ。


なんてコンセプトを作っておきながら、
七階からの暴挙はもうタイプムーンの宿痾としか言えぬ。許せ。
ここでしか両儀式で日常ものをやるチャンスがなかったというのも本音じゃ。
言ってしまえばホロウです。
自業自得とばかりにシナリオ量はいつもの1.5倍になっております。


804号室の彼女のスキルが増えているのは明確な理由があって、
レッドが作るチャーハンを食べて無敵になり、
尊敬するバベジンがいるので見栄を張って死ぬ気のガッツを見せているのです。よし忍法関係ない。
このように、彼女はパーティーによって忍法が変化するので今後の活躍も期待されます。


また、801のアレは完全に出オチというか、去年の本能寺からずっとあのタイトルインをネタにしたくてな……
「EXPさん。ここ、ぐだぐだタイトルインからショートコントが始まるから、後はテキストお願い」
「? 意味が分かりませんけど、テキストよろしくって、つまり?」
「ああん? わからねえのかこのダボ僧がぁ?
 ノッブと沖田に最後の花道をくれてやる。そう言っているンだよ……!」
「げぇーー!? せっかく真面目な話なのになんでコメディとかいれるんですかぁーー!?」
「安心しな坊んず。オレゃあ愛しのフランちゃんの出番も欲しいからよぉ、そこは東出のヤロウに放り投げてやったぜヒャッハー!
 良かったねEXPさん! (ゲストは)ひとりじゃない! 仲間がいる!」
「ひどい、非道すぎる! せめてライダーさんの出番をくださいよぉー!」
「そこは諦めて。ライダーさんは今回出番ないから」

以上が801号室、および601号室の真相である。


  ■■■

それはそれとして。
式(セイバー)、式(アサシン)、(式セイバー)のパーティーで落下霊を淡々と狩っていたんですけどね。

―――マンション前、無人の四辻。
    暗雲うずまく深夜零時。
    燐光を放つ少女たちの残滓。

伝奇小説の面目躍如たるこの光景を前にして、
着物の美人(ヤッパ装備)×2 和洋折衷少女(ナイフ装備)がザキザキザラキ、ザラキザキ。
まさに極妻即死剣。
個人的に、この絵面が一番ホラーだな、と思いました。

March 14, 2016

March 14, 2016

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2016/3/14 : フハハハハハハハ!(きのこ)

ただの巌窟王かと思った?
残念、超高校級の英霊でしたー!


よし、誰かかが言う前に俺が言ってやったぞー!
そんなワケで一足お先に情報公開されたようなのでご報告。
小松崎サーヴァントがついに参戦ですが、巌窟王の真価は第三段階にあるのです……
なんというかもう中二エッセンスの凝縮なのです……


ところで今年のエイプリルフールですが、タイプムーンとして馬鹿騒ぎはしますが、
公式はお休みですよ。
去年派手にやったので今年は自粛……というか無理……ほんともう無理……一年中ゲームを回すってこんなにタイヘンだったんだね……

March 15, 2016

March 15, 2016

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2016/3/15 : 新作だよ。(きのこ)
日記ネタ


アクションゲームがやりたいか?
サーヴァントの一騎当千な躍動を楽しみたいか?

オーケー、ならば新しいステージを用意しよう!

お待たせしました。
Fate/EXTRAシリーズ最新作、Fate/EXTELLA、ついに発表だよー!だよー!だよー!

詳しい内容に関してはこれから段階を踏んでオープンにしていきますので、
今はこれ以上は明かせません。

ただ一言。今回は今まで以上に好き放題やらしていただきました。
タイトルがEXTRA3ではないのはそういうこと。
新しい挑戦を始めるのに、かつてのタイトルを使うのは良くないと決断したのです。


『人と人とが織りなす思想の物語は終わった。
 ここからは世界と人の話をしよう―――』


―――物語はまだ終わらない。
新たに拓かれた、煌めく月の海で君を待つ。



 ◆◆◆

などと格好をつけておいてなんですが、昨日の日記について補足をば。
今年エイプリルフールですが、今年のTYPE-MOONは超省エネ運行ってだけです。困惑させる言い回しをしてしまってスマヌ。
今までやりすぎたんで、「わたしたち普通のエイプリルに戻ります!」ぐらいの感覚なのじゃ。

そして巌窟王に関して。
すまない、ジョージ! そしてオガタ兄貴……!
でも今回は「エドモン・ダンテスの王道」からの脱却を目指したというか、ぶっちゃけダンディ系の巌窟王はゴンゾの巌窟王が最高峰すぎるので、こちらは変化球として「青年としての巌窟王」を目指してみたんだ。
要は“ただひたすらに格好いいダークヒーロー系”ってコトさ!
あとは俺が小松崎サーヴァントが見たかっただけというのもある。


続いてちょっと宣伝。
ドラマCD『Fate/stay night Garden of Avalon』が発表されました。
アニメUBW BOX1に付属した小説のドラマCD版です。
音声劇にコンバートする際、色々と追加を加えた本作。
豪華キャストの皆さんの名演はもちろんですが、その中でも最大の聴き所は川澄綾子による少女アルトリアの慟哭です。
収録時。原作者であるという親心を考慮に入れても、あの台詞は胸に迫るものがありました。
ドラマCD用に深澤さんが曲を大量に書き下ろすとか、その点においても破格の逸品なのでよろしくお願いします。


 ◆◆◆

んで。ここからは漫画の話。

「サイケまたしても」 著者 福地翼

少年サンデーコミックスで4巻まで発売中です。
なんていうか、オトナ買いして一気に四巻まで読んでほしい。
どんなジャンルなのかさえネタバレになるので話せないのですが、
Fate/stay nightの戦闘以外のところも面白いと思ってくれた人ならきっと波長は合うはず。

一巻の満足度がすごくて、「これ一巻で終わる話でいいんじゃないか?」と思ったところへラスト一頁の次巻への引き。
正直、一巻のテーマがメチャクチャ好み&完成度高くて
「え……続くのは嬉しいけどそういう話になるの?」と戸惑ったのですが、
二巻を読み続けていくうちに「なるほど!」と膝を叩きました。

二巻以降の展開(ノリ)は一巻のものとは違いますが、
根底にあるものは何も変わっていません。
葛代斎下。この主人公がどんな人間で、何を見つけて、何を目指したのか。
ジュヴナイルになろうとバトルになろうとサスペンスになろうと、この一点を語ろうとする著者の信念は不動のものと感じました。
漫画として面白く、熱く、そっと心の琴線に触れる、そんな欲張りな総合エンタメです。


また『能力もの』として細やかな気遣いがなされていて、読者が思う「でもそれっておかしくない?」という疑問をきちんと踏まえた上で、その「問題点」をメインプロットのコアに差し込んでいます。都合のいい能力ものではないのです。

去年からの少年サンデーは本当に面白い漫画が増えていますが、
「サイケまたしても」は週刊サンデーの正当な系譜かつ最新の空気感と重力を持っているように感じます。
興味を持ったら是非手にとってほしい。超お勧め。
ん? なんでそこまでプッシュするのかって? そんなの決まってるじゃん! もっとこの人の漫画を読みたいからさ!

 ◆◆◆

五章についてはまた来週

March 29, 2016

March 29, 2016

2016/3/29: Thank you for waiting. (Kinoko)

Once, we said "What's wrong with just this one club?" about the ultimate general-purpose blunt weapon Chicken Wing, but that's ancient history.
Of course, the longsword is supreme. An all-purpose weapon weapon that can deal with any situation. That it's plain-looking is but a fly in the ointment.
If you don't know what I'm talking about, just skip this part.

---

Now. FGO is finally about to begin its fifth chapter.
Chapters 1 to 4 have been released as we first produced them, but chapter 5 has benefited from seven months of popularity, and has some additional scenarios.
Kinoko topped off the stuff the writers submitted, and some extra spice was added after hearing user feedback. That's what Chapter 5 is.
If you open the lid, you'll find twice the jar's original capacity, and it's mainly become something like a collaboration... but what's done is done.
I hope you enjoy this action-adventure story the two writers worked so hard on, that is the voluminous chatper so far.

And so, the white-robed angel's identity is finally clear. Angelic... I guess she's angelic? Let's talk about the angelic Nightingale. When one mentions Nightingale, you imagine a white-clad angel, like Mentholatum's symbolic Little Nurse on their logo, right?
Me too. Until I researched the esteemed lady's lifetime!

I can say this now -- during the development of Fate/EXTRA CCC, Miss Nightingale was a candidate Heroic Spirit for a new enemy Servant all the way up to the end. Going with CCC's theme, I wanted to make characters almost exclusively female. Smells like a fetish.

In the end we only got enough budget to add Elizabeth, but I always wanted to show Nightingale's steel conviction one day.
And when it was decided that FGO's fifth chapter would take place in America, it felt like destiny and I was really happy.
Immediately I decided that she would be the navigator heroine.
You might protest "but she isn't white-robed at all!" I assure that you'll forget all about it once you start Chapter 5.

"Clothes a priestess wears become priestess' robes. If a priestess can wear it, anything can be priestess' robes."

Like a certain shady fox priestess might say, this is a spiritual matter.
If an angel can wear it, anything can be a white robe! She just happens to be an extremely unhinged angel!

Anyway, Chapter 5, the Mythic North American War, is jostling with new characters. And, it finally starts tomorrow.
Pay attention to Helena, Nighting, and ______'s relationship that I don't really understand.

---

That said, let me follow up on the inappropriate remark in the AnimeJapan collab event.
She said 'FGO in its latter half,' but of course that's only the first portion of the stories. There are seven chapters in all so they have to wrap up, right?
As for what comes after that, to put it bluntly we'll continue as long as we can continue, so we'll manage if we can!
Like Hollow after Fate, and CCC after EXTRA,
something definitely awaits you after the first part.


'What do we do after we beat the last boss?'
'Didn't you know?
The next last boss will come.'

---

That said, who's my personally recommended character this time? I think I'd have to pick that pink-haired woman.

A naive smile (with lips that can't hide her ill nature)
A white fur coat that embodies innocence (nice, Nrvnqsr Chaos)
And of course her weapon isn't something as barbarous as a sword, but a more compact rod-like implement (a... whip?)

This is the Super Bitch that birthed ___. The explosive introduction of Super ___ Bitch ___-chan.
Did you really think we could leave such a wonderful, perverted character to anyone other than Takayama Masai?[Translator 2]

2016/3/29 : お待たせしました。(きのこ)
かつて「これ一本でいいんじゃない?」と言わしめた汎用最強鈍器・手羽先も過去の話。
やはりロンソこそ至高。あらゆる戦局に対応する万能兵器。面白みがないのが玉に瑕。
何の話か分からない人はスルーしてください。


  ◆◆◆

さて。FGO、五章ついに開始直前となりました。
1~4章までは開発時に制作したものをそのままお出ししたものですが、
5章はサービス開始七月の評判を受けて、さらに手を入れたシナリオになっています。
ライターさんからあがったものをきのこが足し、
ユーザーさんの反応を知ってさらにスパイスをかけたものが五章です。
蓋を開けてみれば容量は元の二倍、ほとんど合作みたいなものになりましたが、そこはそれ。
二人がかりの力技、これまでの章の中でも最大ボリュームの冒険活劇をお楽しみください。

んで、ついに明らかになった白衣の天使。天使……まあ天使か……なナイチンゲールについて。
ナイチンゲールといえば白衣の天使、メンソレータムのシンボルであるリトルナースみたいな女性を想像するじゃろ?
ワシもそうじゃった。―――女史の半生を調べるまではな!

今だから言える話、ナイチンゲール女史はFate/EXTRA CCCを開発する際、敵の新サーヴァント候補に最後まで残った英雄だったりします。CCCはテーマ上、登場人物はほぼ女性にしたかったのです。フェティッシュな匂いのする。

結局エリザベートが唯一の追加予算枠をゲットしたのですが、いつかナイチンゲールの『鋼の信念』を知らしめたい、という欲求がありました。
そしてFGOの第五章がアメリカに決まった時、これはもう運命だときのこに幸福走る。
即・ナビゲーターヒロインに決定した次第です。
白衣じゃないじゃん!などというツッコミは五章が始まればみんな特に考えなくなるよ、きっと。

「巫女が着るから巫女服。巫女が着ればなんであれ巫女服なのです」

と怪しい狐巫女がのたまっていたように、これは精神論的な話なのです。
天使が着ればそれはなんでも白衣なんだ! ただしすっげえ物騒な天使だけどネ!

とにかく新キャラ目白押しの第五章、北米神話大戦。いよいよ明日、開幕です。
エレナ、ナイチン、そして○○○○のよく分からない関係にもご注目ください。


  ◆◆◆

それはそれとして、アニメジャパンコラボイベントで不適切な発言をしてしまったのでここでフォローを。
『FGOも後半戦』とありましたが、それはもちろん第一部のストーリーの話。だって全七章なんだから折り返しじゃろ?
その後の事はなんだ、ぶっちゃけ続けられるうちは続けるので何とかならぁ!
Fateの後にhollowがあったように、
EXTRAの後にCCCがあったように、
第一部の後もきっと何かが待っているのです。

「今のラスボスを倒したらどうなるの?」
「知らんのか」
「次のラスボスが出てくる」


  ◆◆◆









それはそれとして、個人的一押しキャラは今回だーれ?と問われたら、私はあのピンク髪の女性を選ぶね。

天真爛漫な微笑み(隠しきれない性悪さのにじんだ口元)
純真さを体現するかのような白毛皮のコート(いいですよね、ネロ・カオス)
もちろん武器は剣なんて野暮なものではなくコンパクトな杖のようなもの(む……ち?)

これぞ○ル○が生んだスーパービッチ。スーパー○○トビッチ・○○○ちゃん爆誕である。
こんな素敵な変態キャラ、高山箕犀さん以外に任せられるとでも思ったかい?

April 2016

April 11, 2016

April 11, 2016

Untranslated

2016/4/11 : 邪悪JK!(きのこ)
その名はジャンぬオルタ!

さあ、ダ・ヴィンチちゃんとオルタによる、
今までで最高峰クラスの(頭)悪いイベントが始まるよーーー!


元ネタはあえて言わないが、アレだ。
もし今回のイベントに英題をつけるなら『da Vinci vs. the World』になる。
映画好きはこれで分かれ。


そしてダ・ヴィンチちゃんの宝具はぜひ見てほしい。
あれ、対閃光防御としてつけているんだ。
ましんえいいちろう に とっこう。

April 18, 2016

April 18, 2016

Untranslated

2016/4/18 : 無題。(きのこ)
それはある晴れた休日の朝。

「サーヴァントアクションのチェックをお願いします」

無名の王との激戦で疲れきったきのこに迫る朝イチチェック。
徹夜明けでしょぼくれた眼に映り込んだものは、鮮やかなブルーのマントを羽織ったペンギン王……ペンギン……あれ……これもうペンギンじゃ……ない?

「んー、ニャカニャガ~?」

どういう事でしょうかねシルバーマンさん……私のアルトリアさんが、
どこからどうみても汎用モーションだけどまあ俺の気のせいさお化けなんてウソさ寝ぼけた脳が現実を拒否してたのさ、と誤魔化していたアルトリアさんのモーションが……!

これ以上は公式発表を待て、というところですが、
まずは第一弾として彼と彼女の新生が完了した模様。新しくなったエクスなんたらで(なぜか)モーさんがドヤ顔する事うけあい!


  ■■■

さて。一方、こちらは真剣な業務連絡。
ジャンヌオルタのフレーバーについて。

「ジャンヌオルタは生まれながらに竜属性を持つ」という一文。
アレは自分のチェックミスで、ジャンヌに竜属性はありません。
正しくは「生まれながらに竜を従える能力を持つ」でした。

人の身で竜を鼓舞するからこそのあの破格のスキルなのです。
フレーバーテキストを修正させていただきましたが、
混乱の元になってしまい、まことに申し訳ありませぬ……。

April 27, 2016

April 27, 2016

Untranslated

2016/4/27 : 無題。(きのこ)
さあ、ゼロイベントが始まったぞ!

この日に備えて英霊召喚もバッチリ。
11:30からの駆け込み召喚で無事、ライダーもゲットし、
イベント特攻サーヴァントもこんなに集まりました!

イスカンダル(ただしリリィ)
ギルガメッシュ(ただしリリィ)
アルトリア(ただしリリィ)

の三王パーティーで冬木をブイブイいわせてやるぜ!
悲しくなんか……ないぜ……

April 28, 2016

April 28, 2016

Untranslated

2016/4/28 : 追記。(きのこ)
(私信)

混乱させてしまったようで申し訳ない……

四月一日のアレ同様、
三十分だけのノイズのような日記が黒スケには相応しいと思ったんだ……

ワシのフレポ30万は泡と消えたが、なあに、
地球の平和が戻るまでの長い旅のあいだに召喚して見せますよ。


そして今回のFGO予算ではイスカ召喚に失敗したため、
溜めに溜めていたライダー金種をイスカンダル・チェリィ(だが童貞臭なし)に投入、
あっというまにレベルカンストにした後にですね。
ミッションでもらった呼符でですね。
むくつけきマッチョが「余が来たぞ!」と満面の笑みでやってきましてね……

残った種火がイクラしかないからチクショウ……!(慟哭の涙を流しながら)

May 2016

May 4, 2016

May 4, 2016

2016/5/4 : Untitled。(Kinoko)
I'm back home from Machi Asobi!

I was busy, so I could only play Accel Zero in baby steps,
but thanks to a business hotel[0] with nothing to do, the main chapter is safely over!
 

Dunno 'bout after that.
 
 

… by the way, this time, in making it so you fight with each Ms. Iri as many as three times,
although I thought I'd make a drama by varying the in-battle voices,
on account of production realities, most of it was cut entirely.

And so, here I bequeath you a rejected mystery text.
With kindest regards to Mr. assassinator in the red hood, I would be most pleased if it should prove of use to some investigation of yours.
 
 

  ◆◆◆
 

■ Four Elemental Iris - Voice [1]
 

■ Fire Iri (Active and precocious. Rather close to original Iri)

・Skills
LV50
"I am the Fire Irisviel!"
"Would you let me get ready?"

LV60
"Not yet. After this♪"
"It's gotten hot, hasn't it!" (Looking happy, but daringly)

LV70
"I'm serious! I'm telling you, now I'll be serious!"
"Was I too cheeky, I wonder?" [2]

・Normal attacks
"O flame!"
"O heat!"
"O boiling water!"

・EXTRA
"Can you withstand this, I wonder?"
"Brennen Château!" (burning castle) [3]

・NP
LV50
"Imitation noble phantasm the first―――Tenshin Iri Zanmai!" [4]

LV60
"Imitation noble phantasm the second―――Wicker Lady!"[5]

LV70
"O redde holy grail, fill―――."

・Damage
"Eep!?"
"Kh!"

・NP damage
"Too rough…!"

・Disappearance
LV50
"You won this one…."

LV60
"You also won this one…."

LV70
"I lost…. Thanks for playing along…."
 
 

■ Water Iri (Cold. Cool. Intellectual. Doesn't realize it herself, but is contemporary-fantasy-brained.)[6]

・Skills
LV50
"I'm the Water Irisviel…."
"Don't involve me."

LV60
"To put it mildly, I'm angry."
"I'll get serious."

LV70
"You people sure are persistent…."
"But I do like that, actually."

・Normal attacks
"O water."
"O chilled air."
"O you eyesore."

・EXTRA
"What if I cool your head?"
"It's an ocean swim, isn't it!"

・NP
LV50
"Catch―――Eisberg Thanatos." [7]

LV60
"How about this instead?―――Lawine Avalanchia!" [8]

LV70
"O blewe holy grail, freeze―――."

・Damage
"…!"
"Stop it!"

・NP damage
"That's it?"

・Disappearance LV50
"… well, that's about it…."

LV60
"… I'm looking forward to next time…."

LV70
"That's really something. It seems I'd take a liking to you." (a bit sorrowfully)
 
 

■ Earth Iri (Modest. Quiet. Rather the type to hold a grudge. Gets revenge secretly from the shadows. A cheerful yandere.)

・Skill
LV50
"I-I am… the Earth Irisviel!" (trying hard to introduce self)
"I'm going to fill up…!"

LV60
"… the grudges are going to accumulate…."
"This time, I won't lose…."

LV70
"… serves. you. right."
"Hehe… hehehehehehe!" (bit frightening laugh)

・Normal attacks
"O land!"
"O stone!"
"O protuberances!"
※ "O" as if addressing these objects (earth, stone, protuberances). [9]

・EXTRA
"If I can hit you, I can defeat you!"
"Physics would win!" [10]

・NP LV50
"Imitation noble phantasm―――Clarent God Force" [11]

LV60
"Imitation noble phantasm―――Arondight Nine Lives" [12]

LV70
"O holy grail of rust, grieve―――."

・Damage
"Ohhh…!" (grudging complaint)
"Kwah!"

・NP damage
"I will never forget this grudge…!"

・Disappearance
LV50
"It's fine… I don't mind. I don't mind, I say…."

LV60
"Yes… I'm not angry. I'm not angry, I assure you…."

LV70
"The next time we meet will be in court!"
 
 

■ Wind Iri (All sorts of free. A light tone, a light personality. The most influential one.)

・Skill
LV50
"The Wind Irisviel, visiting you~♪" [13]
"Now, shall we go?♪"

LV60
"I'm in no rush. No rush."
"This should be fine, too?" (Lets a laugh slip. A bit of a tease.) [14]

LV70
"I'm gonna go all out, you know?"
"Time for the finale!"

・Normal attacks
"How's this?"
"There~ya go!"
"O wind!"

・EXTRA
"Hwatatataーーー!"
"I'll lea~d you there♪" (image: raising opponent on the wind)

・NP
LV50
"Copycat noble phantasm―――Iri the Ripper!" [15]

LV60
"Here I go~… Teslaaaーーー!" (This is not a typo for Stella. The "Tesla" should sound happy)

LV70
"O bell of a holy grail, sound out―――." [16]

・Damage
"Muh!?"
"Eek!?"

・NP damage
"Oh no; oh noooooo!" (nuance of "This is dangerous, let's get out of here!") [17]

・Disappearance
LV50
"'I'm the smallest fry among the Irisviels,' Miss Wind Iri said as she disappeared. To be continued."

LV60
"What a pity. And I took this pretty serious, too…."

LV70
"It's been fun! Ciao~♪"[Translator 3]

2016/5/4 : 無題。(きのこ)
マチアソビから帰ってきたゾ!

忙しくてちょこちょことしかプレイできなかったアクセルゼロでしたが、
やることのないビジネスホテルのおかげで無事、本編が終わりました!


その後のことは知らぬ。



……ところで、今回は三回ぐらいそれぞれのアイリさんと戦う事にして、
戦闘中のボイスを変えていく事でドラマを作ろうと思ったものの、
制作の都合で大部分がカットされてしまいました。

なので、ここに没になった謎のテキストを残す。
赤いフードの暗殺者さんにおかれましては、何かの考察に役立てていただければ幸いです。



  ◆◆◆


■四元素アイリ ボイス


■火のアイリ(活発でおしゃま。わりと素のアイリに近い)

・スキル
LV50
「私は火のアイリスフィール!」
「覚悟してもらおうかしら」

LV60
「まだまだ、これからよ♪」
「熱くなってきたわね!」(楽しそうに、でも勇ましく)

LV70
「本気! ここから本気だから!」
「お転婆すぎたかしら?」

・通常攻撃
「炎よ!」
「熱よ!」
「熱湯よ!」

・EXTRA
「耐えられるかしら?」
「ブレンネン・シャトー!」(燃える城)

・宝具
LV50
「模倣宝具そのいち―――てんしんアイリざんまいっ!」

LV60
「模倣宝具そのに―――ウィッカーレディ!」

LV70
「赤き聖杯よ、盛れ―――」

・ダメージ
「きゃっ!?」
「くっ!」

・宝具ダメージ
「乱暴すぎるわ……!」

・消滅
LV50
「今回は貴方たちの勝ちね……」

LV60
「今回も貴方たちの勝ちね……」

LV70
「負けたわ……遊んでくれて、ありがとう……」



■水のアイリ(冷たい。クール。理知的。本人気づいていないけど伝奇脳)

・スキル
LV50
「私は水のアイリスフィール……」
「私に関わらないで」

LV60
「控えめに言うと、怒ったわ」
「本気をだすわ」

LV70
「しつこい人たちね……」
「でも好きよ、そういうの」

・通常攻撃
「水よ」
「冷気よ」
「目障りよ」

・EXTRA
「頭を冷やしたら?」
「海水浴ね!」

・宝具
LV50
「受けなさい―――アイスベルク・タナトース」

LV60
「これならどう?―――ラヴィーネ・アバランチア!」

LV70
「青き聖杯よ、凍れ―――」

・ダメージ
「っ……」
「やめて」

・宝具ダメージ
「その程度なの?」

・消滅
LV50
「……まあ、こんなものね……」

LV60
「……次を愉しみにしているわ……」

LV70
「大したものね。……好きになってしまいそう」(ちょっと悲しげに)



■土のアイリ(地味。大人しい。わりと根に持つタイプ。陰からこっそり復讐する。明るいヤンデレ)

・スキル
LV50
「わ、私は、土のアイリスフィールっ!」(頑張って自己紹介している)
「盛っていきますっ……!」

LV60
「……恨みが蓄積されていきます……」
「今度は負けません……」

LV70
「……因果、応報」
「ふふ……ふふふふふふ!」(ちょっと怖い笑い)

・通常攻撃
「大地よ!」
「石よ!」
「突起物よ!」
※「よ」はその物体(土、石、突起物)に呼びかけるように。

・EXTRA
「当たれば倒せます!」
「物理最強説!」

・宝具
LV50
「模倣宝具―――クラレント・ゴッド・フォース」

LV60
「模倣宝具―――アロンダイト・ナイン・ライブズ」

LV70
「錆の聖杯よ、嘆け―――」

・ダメージ
「もう……!」(恨み節)
「くわっ!」

・宝具ダメージ
「この恨み、忘れないわ……!」

・消滅
LV50
「いいです……気にしていません、気にしていませんから……」

LV60
「ええ……怒っていません、怒っていませんとも……」

LV70
「次に会う時は法廷ね!」



■風のアイリ(いろいろ自由。軽やかな口調、軽やかな性格。一番の実力者)

・スキル
LV50
「風のアイリスフィール、参上~♪」
「さ、いきましょうか♪」

LV60
「あわてない、あわてない」
「こういうのもいいでしょう?」(クスリと微笑む。ちょっと小悪魔)

LV70
「本気でいくわよ?」
「フィナーレの時間ね!」

・通常攻撃
「いかが?」
「そーれ!」
「風よ!」

・EXTRA
「ほあたたたーーー!」
「ごあんなーい♪」(風で相手を舞いあげるイメージ)

・宝具
LV50
「マネっこ宝具―――あいり・ざ・りっぱー!」

LV60
「行くわよ~……テスラーーーー!」(ステラ、の誤りではない。テスラー、は嬉しそうに)

LV70
「鈴の聖杯よ、響け―――」

・ダメージ
「まあ!?」
「きゃん!?」

・宝具ダメージ
「たいへん、たいへーーーん!」(危ないわ、逃げましょう! ぐらいのニュアンス)

・消滅
LV50
「私はアイリスフィールの中では一番の小物、と言いながら風のアイリちゃんは消えるのであった、続く」

LV60
「ざんねん。けっこう本気だしたんだけどなー」

LV70
「楽しかったわ! チャオ~♪」

June 2016

June 2, 2016

June 2, 2016

Untranslated

2016/6/2 : エクステラー!(きのこ)
ただいま多忙中(酒呑さんにペロリと一呑みされる為に運気を高めている最中)なので、
二つだけ!


1.開発はほぼ終了しています。延期はないぞ!

2.豪華特典については我は無実。でも嬉しいよね!


特に2に関してちょっと補足すると、こういうコトがありました。


~ある日の販売会議・inTM~
※登場人物
 マーベラス代表・T氏(プラダとか似合いそうなイタリア系イケメン。超リア充)
 タイプムーンの人・T氏(販売会議にひょろりと顔をだした社長)
 きのこ(いつもの)



マベT氏「それで、初回特典には使って嬉しいアイテムをつけたいんですよ。
     でもフュギャアは前にやったからインパクトないと思って」
タイT氏「わかる」
マベT氏「Tさん、何か欲しいものとかあります?」
タイT氏「おっぱいマウスパット、一度でいいから作ってみたいんですよね。
     アルトリアじゃ無理。でも皇帝陛下ならいろいろ許されると思う。おっぱい的に」

リア充マベT氏に向けてものすごい発言をするタイT氏。

「(ちょっ、俺も欲しいけど、そんなコト言ったら恥ずかしいじゃん!?
  うちの品位を疑われるじゃん……!?)」

沈黙のきのこにゴールデン戦慄走る。
しかし。

マベT氏「いいすね。自分も欲しいッス」
「え?」
タイT氏「でしょ? いま一番個人的に欲しい」
「ばかなの?」
マベT氏「でもワダアルコさんがどう思うかなぁ……」
タイT氏「じゃあワダさんに聞いてみましょう」

ワダアルコ「話はきかせてもらった。是非やらせてください」

「どうなってるの?」


これが赤王マウスパッドに踏み切った真相である。

June 11, 2016

June 11, 2016

2016/6/11 : Untitled。(Nasu)

■ Authentic Record ~ This is how I was abducted.

It happened when I was traveling in southern Nevada.
I had a mysterious nighttime experience when those London supremacists tried to humiliate me.
I'd decided to meditate that day in the Eastern cross-legged position.

"Whew! Look, Helena-kun, the stars are out tonight! By the way, Helena-kun, what do you think of the Nazca Lines?"

Olcott-kun was really hig- I mean, he was drunk.
He was frolicking about like a child while he started to draw a crop circle. I let him be because I'd already gotten used to how weird Edison and Bell were.

"Why don't you try shooting a beam for an instant at the lower part here? Look, doesn't it look like a titan of light? Maybe this is the Hierarchy you saw, Helena-kun. By the way, what's this silver disc hovering above my head?"

Lemuria! (definition: I done goofed!)
It was all over when, sensing danger, I reached for my coat.
I lost consciousness to a dazzling light, and when I woke up I was lying on a bed with white sheets.
I couldn't freely move.
But I knew how to take advantage of the situation. It's gotta be my sixth sense.

"Just our luck. I hate it when something obstructs our warp-out...."
"Dude, this planet's a real drag. Wanna destroy it?"

I had no idea what they were talking about.
I just vaguely grasped "oh, the Earth's ending?"

"Before that, what about this native? Should we return it?"
"Yeah, yeah. Then we'll blow up the planet. Oh, but first, try that. C'mon."
"You mean that? The Galactic Big Bang Gacha? Good idea, we might as well celebrate!"
"Alright, let's just push the button with the native's finger. Not like we'll roll- SAY WHAT!?"
"You got something!? You got a SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSR rare character!? The odds are even lower than a Big Bang happening!"
"Damn, this native's luck is insane... that's just terrifying, rolling a Universal Genesis tier...
And it'd be A B S U R D to destroy this planet now!"
"We have to guard it carefully. But other intelligent beings won't let this chance slide. When's the next Big Bang Gacha going to be held?"
"56,600,000,000 years from now, apparently. Until then, we have to protect this planet... And we can't let the other intelligences find out... And we can't let it evolve in a way that's self-destructive..."
"...This adorable native... No, now she's an angel to us... Should we grant some of our wisdom to this angel?"
"Let us teach her. We'll let her contact the Root, but stop just short of letting her touch the Galactic Arts. Even if she'll never understand the theory behind magic and superpowers, she'll be able to practice them. There we go."

They were working on something incredible that didn't concern me... that's the feeling I got.
Their technology sent my consciousness somewhere around Alpha Centauri, and I managed to touch something amazing before I came back.

When I came to, I was in the Nevada desert again.
I told Olcott-kun what I experienced , but he just prattled something about "Rolling that on the first ticket is an urban legend lolololol" and when I fired a Mahatma ray at him (it actually worked when I tried it. Wow.) he passed out.
Then I stripped off his clothes as punishment, and walked 20 km to the next town on my own.

There were lots of falling stars that night.
I stifled my beating chest while I increased the speed of my new flying saucer.
----No matter what, I have to publish my story in a book.
I was wrapped up in that dream, and a sense of duty, you see.

■■■

Helena: "Just kidding! Would you believe gossip like that, Gudao-kun?"
Gudao: "Um, that really happened, didn't it?"

Dedicated to Matsuryu-san.[Translator 4]

2016/6/11 : 無題。(きのこ)
■実録~私はこうしてアブダクトされた


あれはあたしがネバダ州南部を旅していた時の話よ。
ロンドンの権威主義者たちをヘコませてやろうと、夜の荒野で神秘体験を行っていたの。
その日のメディには東洋のザゼンをチョイス。丹田に気が巡るイメージっていうのかしら……ちょっとおへそが熱くなのよね。

「ヒュー! みたまえエレナ君、今夜は流星がいっぱいだ! ところでエレナ君、ナスカの地上絵とかどう思う?」

オルコット君はしこたまキマっ……いえ、酔っていたわ。
子供のようにはしゃぎながらミステリーサークルを描き始めていた。その手の奇行はエジソンやベルで見なれていたから放置していたのがいけなかったのね。

「この下方向に打つビームを一瞬だけ止めてごらん? ほーら、なんとなく光の巨人に見えるだろう? これがエレナ君が見たというハイアラキではないだろうか。ところで、我々の頭上に浮かんでいる銀色の円盤はなにかな?」

レムリア!(※不覚 の意)
危険を察してコートに手を延ばした時にはすべてが終わっていたわ。
目映い光に意識を失ったあたしは、気がつくと白いシーツの寝台に横臥していたの。
体の自由はきかなかった。
でもまわりの状況は手に取るように分かった。きっと第六感ね。

「たまたまワープアウトした先に障害物とは……ついてねぇ」 
「チョー、この惑星ジャマじゃね? 壊す? 壊しとく?」

彼らが話している内容はまるで分からなかった。
ただ漠然と、“あ、地球終わっちゃった?”って感じただけ。

「その前にこの原住民どうする? 帰す?」
「帰す帰す。んで惑星壊す。あー、その前にちょっとアレやらせてみるか。アレ」
「アレってアレ? 銀河ビックバンガチャ? いいね、記念になるね!」
「よーし、この原住民の指でポチッとな。どーせ当たらな―――なぁにぃぃぃい!?」
「当たったーーー!? SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSRレアキャラが当たったぁーーー!? ビックバンが起きる確率より低いんだぞこれーーー!?」
「やべえ……この星の原住民のラック、まじやべえ……宇宙開闢レベルの引きとかマジ怖い……
 そしてこの惑星を壊すなんて と ん で も な い !」
「大切に保護すべきやね。でも他の知性体にこんなチャンス渡したくないね。次のビックバンガチャって開催いつ?」
「五十六億年後だって。それまでこの惑星を守らないと……他の知性体にバレないようにしないと……あとヘンな進化して自滅しないようにしないと……」
「……このキュートな原住民……いや、もはや我々にとっての天使……この天使に、叡智とか、授けちゃう?」
「授けましょう。銀河法に触れないギリギリのラインで、根源にコンタクトしてもらいましょう。魔術とす超能力とか、理屈は永遠に分からなくても実践はできるようになるから。それで」

なにかものすごい事があたしの関与しないところで動いている……そんな気がしたわ。
彼らの技術であたしはアルファケンタウリあたりまで意識を飛ばしていて、
なんか凄いものに触れて帰ってきたの。

気がつくと、そこはもとのネバダ荒野だった。
オルコット君にあたしの体験談を話したけど、「呼符で一発引きとか都市伝説wwww」とかほざくから、
マハトマ光線を出したら(やってみたら出たの。ビックリ)気絶しちゃった。
罰として彼を裸に剥いて放置して、あたしはひとり20㎞先の街に向かったの。

夜空にはまだいつくもの流星が走っていた。
あたしは高鳴る胸を押さえながら、ゲットした円盤の速度を上げた。
―――この神秘体験をなんとしても本にして出版する。
そんな夢と使命感に包まれながら、ね。



■■■

エレナ「なーんて、そんな与太話をしたらぐだ夫クンは信じる?」
ぐだ夫「あの、それ与太話じゃなくて本当にあった事ですよね?」





松竜さんに捧ぐ。

July 2016

July 3, 2016

July 3, 2016

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2016/7/3 : 無題。(きのこ)
いよいよ来週に衝撃のサンダーボルトが始まるという時期ですが、
その前に一言だけここに思いの丈を残したいと思う。


『宇宙パトロールるる子』


「トリガー好き」「グレンラガン好き」そして「リリカルな少女漫画好き」という
項目が当てはまる人は是非観てほしい。

頭悪そうに見えて根底にはいつもの古典SFオマージュがあって賢そうに見えて
でもラストのBH星人との対話とかもう最高に頭悪くてでも知性と愛に溢れている……!

そんな謎の感動が味わえます。
「今石監督好きだけど、5分アニメなんだよな……」
と甘く観ていた一週間前の自分を蹴り殺したい。
五分という尺を最大限に活用した疾走感と、
シンプル故に文句のつけどころのない主題の力強さでハートをブチ抜かれました。

できればワンエピソード(三話)観たら二日ぐらい間を取って、
また次のエピソードを三話纏めて観てほしい。


もう大好き。今からリトルウィッチアカデミアが楽しみで仕方ぬぅえーーー!

July 7, 2016

July 7, 2016

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2016/7/7 : 我はこの一刀に~(きのこ)
このフレーズの続きをサラッと言える皆さま。
つまり古くからの虚淵玄ファンの皆さま。
要するに奈須きのこさま。

お待たせしました。
あの痛快冷酷武侠劇と同じ魂を持つ作品が帰ってきました。



「Thunderbolt Fantasy~東離劍遊紀~」



先週、先行試写会で衝撃を味わってから、今もうらやましくてたまらない。
陳腐なフレーズですがあえて言いましょう。騙されたと思って一話を観るんだ、と。

ホテイゲキってなんぞ?
人形劇ってなんぞ?
なんで剣がファンネルみたいに飛ぶの?
なんで剣で負けたら木っ端微塵になるの?
ザンキョウさんったら死体は残さないけど頭だけは残すのはなぜ?(答えは番組の最後に)
そして鳥海さん演じる鬼鳥はダビデ系の完成されたクズなの? 素敵!

そんな多くのクエスチョンをフッ飛ばす驚きと面白さに、君の精神は間違いなく若返る。
きのこは十歳ぐらい若返った。十四歳だからつまり四歳になったのだな。ばぶー。


豪華絢爛な人形(とその殺陣)、
豪華絢爛な脚本、
豪華絢爛な声優陣、
豪華絢爛な楽曲、そしてトドメの西川貴教。

あらゆるものがハイスピードで躍動する、新感覚の娯楽がここにある。
そして自分が15年待ち続けていた虚淵玄の原液、
決して分かり合えない男たちの、牙のぶつかり合いがここにある。
なに、おっぱいも見たい? そういうのはなまにくさんや根津さん、あるいはうち(鬼ヶ島とかな)に任せておけ。
今はひたすら気持ちいい剣戟に身を委ねるのだ……六塵散魂無縫剣とか使うのだ……それはさすがに無理か……無理だな……


そうしてひとしきり興奮した後、冷静になって22分の出来事を思い返した時、
君は更なる驚きを覚えるだろう。
当たり前のように動いていたあの人形たちはCGではなく、
人形師たちの手でリアルタイムに動かされていたという、恐るべき技の冴えに。

脚本が世界を作り、
人形師が生命を作り、
役者たちがそこに“人間”としての息吹を吹き込む。


ここまでスタッフの、そして声優さんたちの力を『芸能』として
必要とする22分は希少である。

ついに今週末、金曜日から魔闘、開幕。
幼い頃、誰もが見知っておきながら、まだ誰も見た事のない人形活劇が君を待つ。



  ◆

一方、こちらはいつも通りスタミナの奴隷であった。
鬼ヶ島開催までしばしお待ちください。

あと、ただいま種火半分サービス中ですが、これを機に今月末の六章に備えてマシュのレベルをマックスまであげておくと便利ですよ。
イベントやデイリークエストでは自由なパーティーで、
メインストーリーではマシュが常にパーティーインしているように組み合わせると、よりメインストーリーが楽しめます。とくに六章はマシュの話でもあるので、いつも頑張っているところを見てあげてほしい。ロールプレイってそういう事なのだな。

July 22, 2016

July 22, 2016

2016/7/22: Report. (Kinoko)


The scorching-hot summer is finally here. No, it was already here. Definitely.


The release date for chapter 6 of FGO is finally confirmed.
Nasu was the main writer this time.
Why, you ask?
Since the topic is Camelot, perhaps I had no choice. Or perhaps I had to explain the TYPE-MOON Round Table given the chance. Or perhaps it's because I couldn't roll Heroine X back in January. Reasons like that.


As a result,
"I wanna do that," "I wanna do this," "how about a brown Ellie-style Egyptian?" "Dynasty Warriors Gawain," "where's Pikachu?" "We'll smash pyramids into pyramids!" "Refrain is such a cool game!" "Wait... is that a Charmander in my hallway!?" "I see... Piety is... Sanzang is... Getter is..."
all converged and I ended up with the longest story yet. If Chapter 5 was 300 kb then Chapter 6 is 500 kb. Forgive me. Chapter 7 won't be that long.
Anyway, it's been 10 years since stay night, and I'm quite happy to revisit this theme and write a story about King Arthur again.
We present to you a strange tale about a certain knight. Please enjoy.

 
Of course, I had to call on Sakurai-san's aid for the Egypt-related parts since there was no way Nasu could handle it all on my own. Specifically, for the Blue and Silver characters. Arash's regular life, Serenity-chan's hotness, and King Ozymandias impressing upon us his ideas of kingship and how he'd consider this situation.
In other words, the Egyptians, Arash-san, and Serenity-chan were like a collaboration with Sakurai-san.
King Ozymandias of Blue & Silver and King Ozymandias of Chapter 6 both appear as an unassailable troublemaker. Coupled with Koyasu's character voice, that invincible air is no joke.
To put it dramatically,


"The ancient Sun King, 'I'll show you a true Beamer' Ozymandias is here!!!
But I'll pass on a fight with Moses, 'cause that dude's liable to part the sea with his fists!"

Something like that. Yeah, I don't get it.[Translator 5]

2016/7/22 : ご報告。(きのこ)


ついに灼熱の夏が来る。いやもう来てた。とっくに来てた。


FGO、いよいよ六章の配信日が決定しました。
今回はメインを奈須が担当させていただきました。
なんでかって?
キャメロットが主題になる以上、出ざるをえなかったというか、
機会がやってきてしまったので型月円卓の説明をしなければならなかったというか、一月にヒロインXが引けなかったからというか、そんな理由もございます。

その結果、
「あれもしたい」「これもしたい」「このエリちゃん風・褐色エジプトはどうだ」「ガウェイン無双」「ピカチュウってどこにいるの?」「ピラミッドにピラミッドをぶつけるンだよ!」「ルフラン面白すぎるんですけど!?」「あれ……うちの廊下にヒトカゲがいる……だと!?」「そうか……功徳とは……三蔵とは……ゲッターとは」
と必要なことを積んでみたら、過去最大の長さになってしまいました。五章が300kbなら六章は500kbだ。許せ。そして七章はこんなに長くないですよ。
なんであれ、stay nightから10年経った後、このテーマでもう一度、アーサー王にまつわる物語を書けて喜びもひとしお。
とある騎士による、一つの異聞としてお楽しみください。


無論、奈須ひとりでは手に負えないのでエジプト関係は桜井さんの力をお借りしました。具体的にいうと蒼銀の面子について。アーラシュの普段の過ごし方、静謐ちゃんのやばさ、オジマンディアスの王として理念を教えてもらい、この状況でならどんな事を考えるのか、その骨子になる台詞をかためてもらったのだ。
つまりエジプト関係&アーラシュさん、静謐ちゃんは桜井さんとの合作のようなもの。
蒼銀におけるオジマンディアス王と六章のオジマンディアス王、どちらもブレのない困ったちゃんとして登場いたします。CV:子安もあいまって無敵感ハンパない。
バキ風に言うと


『“真のビーマーを見せてやる”古代エジプトの太陽王、オジマンディアスがやってきたーーー!
 でもモーセとの殴り合いはカンベンな! あいつガチで拳で海とか割っちゃうから!』

みたいな。うむ、まったく分からん。

July 29, 2016

July 29, 2016

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2016/7/29 : げぇ、めいほうけっさつ……!(きのこ)
■日記ネタ

うひゃーーーー、殺無生(せつむしょう)サンかっけぇーーーー!
こんな格好いい檜山さんの演技を聞けるとは……BH星人と同一人物とは思えない……!
みんな、今からでも遅くねぇ、
サンダーボルトファンタジーを観るのです……
あんなド直球な最強剣士、問答無用に美しい魔剣士なんて滅多にお目にかかれないぞ……

どう見ても次は殤不患(しょうふかん)との激突だ……たまらん……来週が待ち遠しい……
シヨウさまも超イケメンボイスなのに無頼漢&隠しきれない優しさあふれる異邦人系主人公でな……諏訪部さんの演技がまたものすごくいい……スペース諏訪部は宇宙の諏訪部である……あ、槍の鈴村はいつまでもそのマスコット枠でいてくださいネ!


 ◆


と。今週もサンボルが最高にいかしていると言うのに、オマエときたら!

聞いているのかねArts信長クン!

涙ぐんで武内の手紙を読んでくれた種田さん、
アーラシュを……駒……と鋭い戦術眼で評価していたブラック企業円卓のトップ・綾子リア、
羅生門のボスみたいになって背景に溶け込んでいた梶田さん、を見習いたまえ!

でも梶田さんはなんでそこで0をもう一つ足さなかったんです?



そして七章以降のスケジュールに関しては、また明日にでも詳しい報告をさせていただきます。
六章の、六章本編が始まる前にどんなコトがあったのか?みたいな設定のお蔵だしもついでに。



って福袋きてるーーー! よーしパパ槍王目当てで三騎士いっちゃうぞー!(結果は明日)


……あまりの悲しみに明日まで我慢しきれず報告。
やったねマッシュ、無記名霊基がまた一枚多く貰えるゾ☆ ちきしょうくたばれ!


July 30, 2016

July 30, 2016

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2016/7/30 : 無題。(きのこ)
何が無記名に変わる予定だって?
安定の押しかけ人間城塞ジャンヌさんに決まってンだろォ!?(挨拶)


朝イチで秋葉原に行ってきました!
クジはぐだ子のお面でした。付けて歩いてました。
秋葉原の街には特異点が山ほどあってこんなネタを思いついたよ。


 ◆

ロマン「今回は極めて局地的な特異点だ。おそろしく狭い空間でね。キミひとりしかレイシフトさせられない。マシュは無理だ」
   「でも安心してくれ。サーヴァントなら一騎だけ同伴できる。人選も決まっている。珍しく、今回のミッションには興味を持ってくれてね」
   「今回も色々あると思うけど、苦情・相談は窓口のオペ子ちゃんに。ではレイシフト、スタート!」

(ここでイベント名挿入)

『天仰魔界食堂 Z-LAW』

 みょんみょんみょん(いつものSE)、とお決まりの演出から目を開けるとぐたは丸イスに座っていた。
 目の前にはラーメン屋のカウンター式テーブルと、こんもりと具が盛られたラーメン。
「なにごと?」
 と驚きつつ、となりのカウンター席を見ると、そこには邪悪な笑いをうかべながらもまんざらでもない風にラーメンを食べるサーヴァントの姿が。

ジャンヌオルタ「何よ」

 もうダメだなこの復讐者、と思いつつも視線だけで「なにしてるの?」と質問するぐだ。
 ジャンぬは語る。
「食べログっていうの? 最近はまってるのよ。おごり高ぶった有名店をボロクソに評価をして地獄にたたき落とすとか、最高の趣味だと思わない!?」
 などと復讐者としての大義名分をほざくものの、単にグルメハントの喜びに目覚めてしまっただけのぬ。
 気がつけば有名ブロガーとして成功してしまっているジャンぬは、フォロワーたちの期待に応えるため、ぐだの襟を引っ張って様々なラーメン屋を巡るのだった。


 ◆

一周年キャンペーン、驚かれたでしょうか。
アニプレックスさん、DWさんとの協力を得て聖晶石3個召喚を実現させていただきました。
『この先、いけるところまで続けていくぞ!』というスタッフ一同の決意であり、
プレイヤーの皆さんの熱意に応えられるよう、踏み込めるところまで踏み込んだ結果となります。

まだまだ先はどうなるか分かりませんが、これからもよろしくお願いします。


さて、六章の話です。そろそろ終わった人が出てくる頃なので、ネタバレを含む話を少し。
なので六章未クリアの人はここでUターン、クリアしてから読んでくれ!


去年の今頃。FGOのサービスが始まりました。
多くの問題を抱えていたFGOですが、それでも「このゲームは面白い」と楽しんでくれるプレイヤーの感想を見て、僕らも覚悟を決めました。
「この状況で、まだFateに付き合ってくれる人がいる」
それもシナリオを楽しんでくれている。Fateとして楽しんでくれている。
であれば、こちらもシナリオに手を入れる他ありません。
なにしろサービス開始前に作られたシナリオはみな「ソシャゲー用にチューニングされたシナリオ」でした。
物語より一回のプレイ時間(三分で一イベント)、ミッションを優先させられた内容です。
喩えるなら、

「もとにあるシナリオ」



「もと(戦闘)に(戦闘)あるシ(戦闘)ナリ(戦闘)オ(戦闘)」

と、物語の流れをぶった切って戦闘を挿入していました。
そうしないとソシャゲーとしてプレイしてもらえないと判断されたからです。
ですが結果は『物語重視でもよい』という事になりました。
(1~4章までのワイバーン地獄はそういう事ですよ)
これを受けて、まだスクリプトに入っていなかった5章以降のシナリオをリライトしてよい状況になり、
年明けからのスケジュール大改修が始まったのです。



無論、当初予定していなかったものなので現場はますます鉄火場となりました。
5章では200kbだったシナリオが300kbに。
章ごとに設定されていた「新しいエネミー」「演出」「2D背景」も、シナリオが変われば当然変わります。
一度決まっていた計画を変更するのは容易な事ではありません。
でも仕方ないよね、こっちの方が面白いんだから。
そんな訳で2016年の一月。
セイバーウォーズなんてバカなイベントをやっている裏で、新しいロードマップができたのです。

新しいロートマップは『初期衝動への回帰』
FGOもともとは『12月31日で終わってしまう今年』を乗り越えるための物語でした。
それがサービス開始の時期が半年延びた事で不可能になり、「そのコンセプトは諦めよう」ガッカリしていた奈須でしたが、武内からの鶴の一声……

「最終章までの過程を半年延ばそう。
 そうして、もう一度その“未来を取り戻す”エンディングを目指そう」
「そのかわり、奈須は構想にあった第二部の作業も進めよう。二年と言わず三年続けるぐらいの気持ちでいよう」

とお達しがくだったのです。
何か騙されている気がしないでもありませんが、そういう事なら!とライターチーム一同、大はしゃぎで“2016年を越えた後”の話で盛り上がりました。


とはいえ、まずは2016年、魔術王による人理焼却をなんとかせにゃなりません。
我々がすべき事は5章のリライト、および6章以降の作り直しと、第二部の準備。
ちょうど並行していた奈須の仕事が一つ終わる(五月でエクステラはほぼマスターアップなのじゃ)ので、五月からなら自分も監修だけでなくメインに入れる、というのもありました。



そんな中、中野サンプラザで坂本真綾さんのライブが行われまして。
「よし、生の色彩を聴いてやる気を出そう」とお邪魔した訳です。
そこできのこに衝撃走る。
『レプリカ』。そう、『レプリカ』なのである。
ここまで言えば明白なのですが、六章最終章のタイトルは坂本真綾さんの曲名から。
この時、この曲に出会わなかったから六章をこのテーマで書き直そうとは思わなかった。
ベディヴィエールは『片腕だけ改造され仮面ライダーになりきれないライダーマン』というキャラ付けだったのですが、肝心の『なぜ義手がアガートラムなのか?』という理由がなかった。それをどうするか悩んでいた時に『レプリカ』を聴いて、なんかもう今回の話がスパーンと脳内に駆け巡ってしまった。
『……やばい。成立する。これは成立する。やる価値のあるイフだ』
『でもこれ本気で一から作り直しだぞ……今あるもののリライトとかの話じゃないぞ……』
『あー、もういいや、こっちのがいい、円卓を完全な“敵”として作り直した方が面白い』
 かくして6章は現在の形になりました。
 まあ、6章まで延ばし延ばしにしていた伏線回収をしなくちゃいけないし、マシュの成長の話もがっつりやらねばならなかったし、運命だったのです。
(なので興味を持った人はぜひ『レプリカ』を聴いてくだされ。ベディの最後の戦いは、この曲をバックボーンとして描きました)

ソシャゲーの常識である『三分に一度の戦闘』の縛りは既にない。
『今の』FGOで出来る事を踏まえて、一からの書き直しとしたのはこういう経緯があってのことでした。


そうしてGWが終わり、エクステラもマスターアップした五月下旬。
ようやく6章の執筆に入り、テキストが完成したのがその一ヶ月後。
執筆にまるまる一月かけてしまい、実装まで一月もない、と言う状況で(審査があるのでイベントより二週間は前に出てきていないとまずいのです)DWのスタッフさんは本当に頑張ってくれました。
なにしろ550kbの大物。
通常の期間イベントのテキストが平均80kbで、これをスクリプトにしてもらうにはどんなに早くても一週間は必要となります。
その五倍のテキストを残り一ヶ月でスクリプトを打ち込んで実装する、という地獄のような状況を、DWの実装スタッフさんは乗り越えてくれました。
「すまない……増えても300kbぐらいなので安心してください、とか言ってすまない……だがなんとかしてくれ……」
 などと、ちっとも謝っていない奈須に、
「なんとかします! 死にそう! でもなんとかします!」
 と全力で応えてくれたDWスタッフさんの熱意と労働時間にどうか万雷の拍手を。
 縁の下の力持ち、とよく言いますが、今回も彼らはその力を十全に発揮してくれました。
 本当にありがとう。次はもちっと余裕のある無茶ぶりをさせていただきます。


 無論、急な予定変更に付き合ってくれたのはDWスタッフさんだけではありません。
「獅子王の立ち絵に差分がほしい。○○化しているので眼がキラキラしていて、妖精っぽくなってるの」
 という、アポクリファの新連載で忙しい石田あきらさんへの、突然のお願い。
 石田さんは表情差分だけでなく立ち絵から新規として対応してくださいました。

 ベディ担当の天空すふぃあさんも空の境界六巻の単行本作業中だというのに
「ベディの泣き顔が欲しいんだ。花の慶事の奥村すけえもんが泣いているような……という表現でわかる? え、うそ、わかってもらえた!?」
 こんなお願いに応えてくれたのです。


 その他、
 こやまさんにクライマックスのイベントシーンのエフェクトをお願いしたり、
「円卓用のBGMほしいなー。“円卓とは二度と戦いたくない”って思うぐらいの威圧的なBGMほしいなー。」
 とKATA君にバチバチとウインクしたり、
「清姫の水着の前に男を描くのです……血まみれのいい男をね……フフフ」
 とアーラシュの特殊立ち絵をBLACKさんにお願いしたり、
「急遽参戦が決まったが、当然アグラヴェインはキミに一からデザインしてもらう。……大切な役だからね? 格好よくかかず、さりとて地味にかかず、黒騎士なんだけどクロという強い色は感じさせない……そんな絶妙なキャラを頼む……よ?」
 と武内をつついたりしました。

 諸々の追加作業に快く付き合ってくれたみんなに感謝を。
 でも
「ここまでみんなにやらせたんだから最終章まで奈須が書くんだろうねぇ……。
 正しい等価交換だねぇ……」
 とさらりと返してきた社長はほんと酷いヤツだと思います。


  ◆

 以上がスケジュール変更の大まかなあらすじです。
 長くなってしまったので、日記はここで一端ストップ。

July 31, 2016

July 31, 2016


  • First portions are untranslated*


Camelot/Zero

 01. Midway through the Ninth Crusade, someone who should have died is given a Holy Grail. Using the power of the Holy Grail, the expeditionary force approaches the Holy Land. Dedicating everything to the King of Magic, they set fire to the land and slaughter the people. However, in their greed they summon the Pharaoh. Naturally, the Pharaoh confiscates their grail, creates the Egyptian Territory, and sets about building his own kingdom there.

 02. The expeditionary force loses ground. The one chosen by the Holy Grail is cornered by the people of the Holy Land. But then, a mysterious Servant appears and summons the "False Crusaders." Though this Servant identifies themselves as Richard I, their appearance and behavior are far too different from his. The False Crusaders capture the expeditionary force and occupy the Holy Land.

 03. The Lion King arrives in the singularity and summons the Knights of the Round Table.

 04. The Knights of the Round Table battle the False Crusaders. The expeditionary force is annihilated. The Holy Land falls. The Holy City is completed.

 05. Xuanzang-chan suddenly appears

 06. Chaldea begins the Sixth Grand Order

 

 That's more or less what happened before the beginning of Chapter 6.

 When the Lion King appeared in the Sixth Grand Order, she summoned the Heroic Spirits of the Round Table with her own power.

 (This is different than the summoning method used by Chaldea)

 All but two of the Knights responded to the summons, and were informed of the world's collapse, and how in half a year's time all would be reduced to nothing by the King of Magic. And, the Lion King told them about the "means of salvation by the holy lance," their best hope of counteracting it.

 In the solemn morning glow, the Lion King proclaimed:

 

 "I summoned you knights because I require your power. While I can destroy my enemies alone, I cannot perform the Holy Selection. I need knights that will become my hands and feet. However. I understand that this act violates your beliefs. Will you obey me, or will you leave my side? Or, will you band together here to strike me down? I will hear your answers at sundown. I can wait no longer than that."

 

 And so, the Knights of the Round Table each fretted over their choice.

 There would surely be those who sided with the Lion King, just as there would surely be those who tried to stop her.

 In either case, the enemy would be their fellow Knights.

 Nobody was going to leave. If they disagreed with the Lion King, they had no choice but to enact the death penalty.

 That, in turn, meant fighting their comrades who had chosen to follow her.

 

 Sir Kay was strangely silent, and vanished till sunset without saying a word.

 Sir Percival politely exchanged words with all of the other Knights one by one, and weeped alone.

 Sir Gawain understood the significance of King Arthur calling herself the "Lion King."

 Sir Tristan blinded himself to the tragedy of the situation.

 Sir Lancelot, though he was loathe to admit it, realized that the Lion King's choice was making the best of a bad situation.

 Gaheris resolved himself to parting with his older brothers and younger sisters.

 Gareth never once doubted that Sir Lancelot, whom she revered, would surely choose to aid King Arthur.

 

 After the longest half a day of their lives, the Knights of the Round Table convened before the Lion King, as those that would stop her, and those that would serve her.

 Battle was inevitable.

 No matter what they chose, they would be forced to strike down those who were most dear to them with their own hands.

 Because, the only way to protect the Lion King was to kill their fellow countrymen.

 And, the only way to put the Lion King to death was to eliminate the compatriots standing in their way.

 Neither camp bore any hatred for the other.

 There was only grim resolution.

 

 Like that, the Knights of the Lion King were born.

 They struck down those they loved the most, and became beasts.

 Even if they tried to survive, they no longer possessed the qualifications to be chosen by the Holy Lance.

 They accepted the fact that no matter what they did, they would not be rewarded. They were sinners, doomed to be burnt away with the era.

 

 Then, the Lion King bestowed "Gifts" upon the Knights stained by their comrades' blood.

 Tristan received the Gift of "Inversion," for she saw his fingers were completely frozen from despair.

 Gawain received the Gift of "Everlight," for he wanted to maximize his usefulness.

 Mordred received the Gift of "Rampage." It wasn't asked for, but it was given.

 Gareth received the Gift of "Impurity," for she wished to avoid being defiled any further.

 Lancelot received the Gift of "Ferocity," for he vowed to ascertain the situation as a person, without martyring himself for justice.

 And, Agravain received the no Gift, for he had declared before all that he had no need for a Gift from the Lion King.

 

 The Lion King and her Knights marched into the Holy Land controlled by the False Crusaders.

 Though the False Crusaders were no match for them, the Servant calling himself Richard I was demonically strong.

 "Even the Knights of the Round Table can't possibly defeat this devil without loss. A sacrifice of two... no, three of our own will be necessary."

 As Gawain made that judgment, a single Knight charged forward, restraining Richard at the cost of skewering her own chest.

 It was Gareth.

 Gareth's heart had long since shattered to pieces over the course of their many battles.

 Killing her beloved comrades.

 Killing knights, false though they may be.

 Killing the people of the Holy Land, day in and day out.

 Mummy-like bags had appeared under her eyes, and her lily-white fingers that had once been more beautiful than anyone's were unrecognizably blackened from the washing she performed after combat.

 

 "I'm sorry. I'm sorry. Even though I chose this."

 "I can't bear it any longer. I can't fight any more. Please. Please."

 "I'm a fool. Please, punish me."

 

 It was the perfect opportunity to kill the enemy leader.

 Lancelot froze. He understood Gareth's feelings, but was hesitant to once more do the deed.

 Mordred raged. She had tried to stop her, saying they could win without making such sacrifices.

 Agravain quietly placed his hand on the sword hanging at his side. He understood what must be done.

 However. The one who swung his sword and dealt the mortal blow was Gawain.

 Along with the last remnants of his heart, he bid farewell to his little sister.

 

 Thus, the Holy Land passed into the Lion King's hands, and the Immaculate Holy City manifested itself.[Translator 6]

2016/7/31 : 無題。(きのこ) よーし、六章のお蔵だしをするよー!

 ネタバレなので未クリアの人はまた今度!











 では箇条書きに、細かく。





・フォウの特別意訳について

 フォウフォウ鳴いているフォウくんですが、実はあれ、鳴き声のニュアンスが演出家さんに伝わるよう、

 大部分に意訳が入っているのです。

 シナリオ上では台無しになるので隠されていますが、

 今回はダ・ヴィンチちゃんの暴挙によってついに明かされてしまいました。



 テストプレイ中「あ、これフォウの意訳を出さないとシーンが成立しない」と気づいたからなんですが。

 そんなフォウの意訳、ほかにどんなものがあるかここでだけちょっと公開。





@マシュ@7

そうです、ベディヴィエールさんは

円卓の騎士ではありません!



ガウェイン卿のように強くはありませんし、

逸話だってあまり特徴のない方ですから!



@ベディヴィエール@哀

あ、はい……そうですよね……

私、円卓でも一番の小物でした……ので……



@フォウ

フォウ、フォーウ!

//やばい、ベディが泣きそうだ!





@マシュ@6

ベディヴィエールさん?

あの……まさか?



@ベディヴィエール@喜2

このような時に不謹慎ですが、

私、旅には慣れていますので。



人体に害なく食べられる動物の

目利きには自信があるのです。凄いのです。



@フォウ

フォウゥゥゥゥ……

//またベディの根拠ない自信がでたぞ!





 とまあ、こんな感じで、わりとフリーダムな所感をこぼしていたりします。





・マシュの宝具

 ついに明かされたマシュの宝具。

 その元コンセプトはアマデウスやダレイオス三世のデザイン担当であるファルツさんのお仕事なのです。

 もう随分と昔になった2005年、Fateをアニメ化する際、『小次郎のかわりにはぐれサーヴァントであるシールダーをいれる』という新案をたてたのですが、そのおり、ファルツさんに依頼したものが

「○○○○○○の宝具。○壁で攻撃を防ぐ。セイバーはエクスカリバーを精神的に向けられない」

 というコンセプトの宝具でした。

 その時から名前は変わっていません。

 当時から素晴らしいコンセプトだったのですが、それがようやく形にできました。

 ファ様、ありがとう&待たせてごめん。

 そんな歴史もあり、EXTRA/CCCにおけるレオの決着術式はこの宝具(伝承)を元に西欧財閥が作り上げたものだったりします。響きがほぼ同じなのはそのため。

 魔法使いの夜の「決着術式(ファイナテリィ)」と「シールダーの宝具」の合わせ技だったのだな。





・呪腕のこと

 サリアさんは彼がまだハナムだった頃、あの村で恋人一歩手前の幼なじみだった女性。

 その後、ハナムは功名心から村を捨て山の翁への道に。

 サリアさんは聖地の家に嫁ぎ、ルシュドが生まれた。





・六章/zero

 01.第九回遠征の時に半ばで命を落とした筈の人物に聖杯が渡される。

  聖杯の力で聖地に迫る遠征軍。魔術王にすべてを捧げる、と大地を焼き、殺戮を開始。

  しかし欲をかいてファラオを召喚してしまう。当然、ファラオに聖杯を取り上げられる。

  ファラオはエジプト領を作り、そこで自らの国を作る仕事に入る。

 02.遠征軍、劣勢に。聖杯に選ばれた人物も聖地の人々の手で追い詰められる。

  しかしその時、「偽りの十字軍」を召喚する謎のサーヴァントが現界。

  自らをリチャード一世と呼称するサーヴァントだが、その姿や振る舞いはあまりにも別人であった。

  『偽の十字軍』、遠征軍を取り込みながら聖地を占拠する。

 03.獅子王、特異点に到達。獅子王、円卓の騎士たちを招集。

 04.円卓の騎士VS偽の十字軍。遠征軍、壊滅。聖地、陥落。聖都が出来上がる。

  特異点の名前と在り方が変貌してしまう。

 05.三蔵ちゃん、ひょっこり登場。

 06.カルデア、第六グランドオーダー開始



 以上が六章開始前の大まかな流れ。

 獅子王が第六特異点に現れた際、彼女は自らの力で円卓の英霊たちを召喚。

(これはカルデアの召喚方法とは違うもの)

 二名を除いて招集された円卓の騎士たちは獅子王から世界は崩壊し、あと半年ほどで魔術王によってすべてがなくなること。

 そして、せめてもの対抗策としての『聖槍による救済方法』を語る。

 おごそかな朝焼けの中、獅子王は円卓の騎士たちに宣言する。



獅子王「私が卿らを招集したのは、この計画には卿らの力が必要だからだ」

   「私一人では敵を滅ぼす事はできても聖抜は行えない。手足となる騎士が必要だ」

   「―――だが。

    この行為が、卿らの信条とは相容れぬものである事も理解している」

   「私に従うか、我が元から去るか。あるいは、この場で一丸となり私を倒すか」

   「日没に答えを聞く。私が待てる猶予は、それだけだ」



 そうして円卓の騎士たちは各々、自らの選択を思い悩んだ。

 獅子王に従う者はいるだろう。獅子王を止める者もいるだろう。

 その場合はどちらにせよ円卓の騎士同士の戦いになる。

 ここから立ち去る者はいない。獅子王を否定するのなら、獅子王を誅さねばならない。

 そしてそれは、獅子王に従う道を選んだ仲間との戦いを意味する。





 サー・ケイは珍しく無言で、悪態一つなく日没まで姿を消した。

 サー・パーシヴァルはひとりひとり丁寧に騎士たちと言葉を交わし、ひとり涙した。

 サー・ガウェインはアーサー王が自らを「獅子王」と名乗る意味を理解していた。

 サー・トリスタンはこの状況のあまりの悲しさに自らの目を潰した。

 サー・ランスロットは忸怩たる思いで獅子王の選択が『最悪の中の最善』であると呑み込んだ。

 ガヘリスは兄と妹との別れを決意した。

 ガレスは敬愛するランスロット卿なら必ずアーサー王の力になる道を選ぶと信じて疑わなかった。





 人生でもっとも長い半日を経て、円卓の騎士たちは獅子王の前で対峙した。

 獅子王を止める者と、獅子王に従う者として。

 戦いは必然だった。

 どちらを選ぼうと、彼らはまず一番愛するものを手にかけねばならないと分かっていた。

 獅子王を護ためには同胞を殺す必要があり、

 獅子王を誅するためには立ちはだかる同胞を倒す必要があったからだ。

 故に、どちらの陣営にも憎しみはなかった。

 ただ悲壮な決意があっただけだ。



 そうして獅子王の騎士たちは誕生した。

 彼らはまず一番愛するものを手にかけ、獣になった。

 もはや生き延びようと聖槍に選ばれる資格もなくなった。

 何をしても酬いはなく、時代と共に燃え尽きる罪人である事を受け入れた。



 同胞たちの血で染まった騎士たちに獅子王は『祝福』を与える。

 トリスタンはそれを『反転』とした。悲しみから、自らの指がもう十全に動かぬと認めたからだ。

 ガウェインはそれを『不夜』とした。自らの有用性を最大限に発揮するという表れからだ。

 モードレッドはそれを『暴走』とした。本人は言葉にしなかったが、獅子王はそれを与えた。

 ガレスはそれを『不浄』とした。もうこれ以上汚れないようにと願ったからだ。

 ランスロットはそれを『凄烈』とした。大義に殉じる事なく、人として大局を見定めると誓ったからだ。

 そしてアグラヴェインは、それを『不要』とした。獅子王の祝福は必要ないと、みなの前で宣言した。





 獅子王とその騎士たちは偽の十字軍によって制圧された聖地に進軍した。

 偽の十字軍たちは敵ではなかったが、

 リチャード一世を名乗るサーヴァントは魔人の如き強さを持っていた。

『円卓の騎士と言えど、この魔人を相手には無傷では済むまい。二人―――いや、三人、犠牲になるか』

 ガウェインがそう判断した時、リチャード一世に突撃し、胸を貫かれながらもこれを拘束する騎士がいた。

 ガレスである。

 ガレスは連日の戦いで、とうに心が砕けていた。

 愛すべき同胞たちを手にかけた事。

 偽のものとはいえ騎士たちを、聖地の人々を手にかける日々。

 その瞳の下にはミイラのごとき痣ができ、誰よりも美しいとされた白指は、戦闘のあとに行われる洗浄で見る影もなく炭化していた。



「ごめんなさい。ごめんなさい。わたしは、こちらを選んだのに」

「もう耐えられません。もう戦えません。どうか、どうか」

「愚かなわたしに、罰を与えてくださいませ」



 敵の首魁を討ち取るのに絶好の好機だった。

 ランスロットは動けなかった。ガレスの気持ちはわかるものの、二度も手にかける事は躊躇われた。

 モードレッドは激怒した。そんな犠牲を払わなくても倒してみせるとガレスを止めた。

 アグラヴェインは静かに腰の剣に手をかけた。自分の仕事だと把握したからだ。

 しかし。敵の首魁に踏み込み、その剣を振るったのはガウェインだった。

 ガウェインは最後に残った心ごと、自らの妹に別れを告げた。





 かくして聖地は獅子王の手に渡り、純白の聖都が顕現した


August 2016

August 22, 2016

August 22, 2016

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2016/8/22 : 水着・第二部!(きのこ)
 現実は台風さんが本気だしてバカンスどころの話ではありませんが、
 いよいよ始まるぜぇ、水着イベの第二部がよぉ!

 一部ほどのボリュームではありませんが、たいへんハートフルな内容になっていますので、今年の夏は海に行けなかったアナタ、今年の夏も家に籠もりきりだったワタシ、そもそも無人島とかいかねーよ、という皆様がた、どなた様もお楽しみくださいませ。



 さて。では今回のお蔵だし。
 去年のお月見イベントで入れられなかったタラスク秘話をここに残します。
 これを今回やりたかったけどタラスクの立ち絵とか作るの面倒だったんで、『今回のマルタさんの背景にあるもの』という資料になったものです。
 走り書きのネタ帳ですが、時間があったらどうぞー。




■マルタ外伝 

 ほんとは喧嘩上等なマルタ。
 拳で戦うモンクである。拳に主の加護を宿す物理特攻聖女。
 が、弟ラザロの一件で彼に
「交換条件という訳ではないんですがね、これを機にほら、多少はお淑やかになられては?」
 と持ち出され、渋々モンクを廃業。
 拳での説教は封印。神の子がくれた杖の手前もあるし、ちゃんと杖使わないとね、と争いの醜さを説く事になった。


 その後、彼がいなくなってから財産を手放し、流浪し、その途中の街でタラスクが出没する水辺の街に。
 タラスク襲来に嘆く街の様子を「ふーん」と眺めていたが、ついにタラスクが飛来し、街を襲う様子を見てなんかスイッチが入り、長く封印していたステゴロを解除する。
 タラスクの「自分は認知されなかった子供ー、母上においていかれたー、世の中ひがんでやるー」という泣き言に激怒してのことだった。


鉄 「私が!」 メガトンフック。(タラスクは死ぬ)
拳 「許せないのは!」 メガトンボディ。(タラスクは死ぬ)
聖 「アンタが害獣なコトじゃなくて!」 メガトンパンチ百連発。(タラスクはぜったい死ぬ)
裁 「その僻み根性が許せないのよっ!」 ジェットアッパー。(星のように、タラスク)
!  という流れるようなコンボが炸裂。


「そんなに独りが寂しいってんなら、アタシが一生、最後まで面倒みてあげようじゃない!」
 タラスクを思っての怒りの発言である。
 タラスク、マルタのあまりの迫力とタンカに全面降伏。
「私に襲いかかったり怪我を負わせた点について、謝る必要はないわ。
 でも街の人たちにはちゃんとお詫びしなさい。ケジメとして」
 タラスク、マルタの言葉に同意する。
 その後の聖水のエピソードは、
「……と、まずい。街の人達にケジメ付ける前に、このままだと死んじゃうわね。たしかこのあたりに聖水が……」
 と聖水をかけて回復させてあげた。
 その後、伝説どおり街の人間にタラスクを差し出すコトになるが
「姐さん。人間たちはワシを赦してくれるだろうか」
「あ、それは無理。間違いなく殺されるわ、アナタ」
「どうしろと!?」
 でもどうせこのままだと時代に取り残されて殺される。幻獣であるタラスクに、もう居場所はなかったのである。
 なので、肉体は滅びるんだから街の人間にくれてやって、その前に魂は私に取り付いておけ、とマルタ。
 タラスクは幻想種だが世界の裏側に行ける力がなかった。
 なので、守護霊としてマルタにとりつき、一緒に修行して徳を高め、世界の裏側に旅立てばいい、と提案。
「いいんですか、教会の教え的に!? ワシ竜ですよ、竜!」
「亀と言い張ればいいでしょ。っていうかバレなきゃいいわよ。ありがたい話は衣食住がこと足りてからってね」


 タラスク、マルタに激惚れ。
 その後のタラスクは魔力を高め裏側に行けるようになったが、それでも世界に残り、マルタが死ぬまで彼女を守り続けるコトになった。


 ■■■

 こんな裏話があったので、水着マルタの宝具案を問われたところ、

「タラスクが相手に乗っかってその上にマルタが乗っかってトドメに鉄拳聖裁って入る。相手は死ぬ」
「すみません、日本語で説明してください」

October 2016

October 9, 2016

October 9, 2016

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2016/10/9 : 無題。(きのこ)


『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』

終了記念だからもう一回言うぞ。
騙されたと思ってこの人形たちの超アクションを見るんだ……
できるだけ大画面でね……
あと声優さんたちの熱演とキレッキレの台詞にも注目してね……

本当にシンプルに、ただ「面白かった……!」と満面の笑みを浮かべられる作品でした。
一話の無駄もない、まさにぎっしりアンの詰まった月餅の如き四ヶ月。


『魔神と蔑さま大災難!
 最悪のエンジョイ勢・キチョウさんと
 最強のエンジョイ勢・ショウフカンさん
 の次回作にご期待ください!』


というメチャクチャ気持ちの良い終わり方はもちろん、
10話からの怒涛の展開は毎週パラダイス状態でした。
『まさに、見たかったものを見せてもらっている!』感の気持ち良さはちょっと最近ではなかったレベル。
最後の締め(ネタバレなので自重。まあ、借りたものはちゃんとね)で流れる念白もよくてな……物語が終わったばかりなのに、このキャラクターたちの違う事件、違う物語がもっと見たいと即おかわりを要求&叶えられたぜヤッター!
フカンおじさんの次の活躍にご期待ください! スペース刃無縫は東離の刃無縫である……


また、布袋劇には念白という定番の演出があって、
その人物の一番の見せ場(あるいはテーマ)にのみ流れる詩があるのだそうです。
視聴開始時はこの文化が分かっていなくて、「なぜここで詩が?」とメヲパチクリさせていたのですが、その仕組みが分かるともう「念白きたーーー! これで勝った! あるいはもう用済みなので死んだ!」と盛り上がるようになります。

それも含めて最終話の念白の挿入タイミングはまさに白眉。
あんなのキチョウさんですら惚れるしかない。
(いえ、七殺天稜についてはそりゃもう爆笑したけど、冷静になって「あれローさん(系の人)から押収したの? それともこれからローさん系の人が生まれてしまうの?」となって血の気が引いた)


そして最後は踏んだり蹴ったりの蔑さまでしたけど、
あの人、得意の剣ではああいう結末になりましたが、
あのクソ野郎がもっとも大切にしていた煽り力では上回りましたからね。

剣(自分の信念)では負けたが煽り(相手の信念)では勝った。

そんなところも蔑さまの魅力だよね。最大の被害者だよ。
ワシも今から剣を習ってファンネルとかビームとか撃ってみるべきか……でも枯骨流だけは勘弁な! あれ自爆芸ばっかりだから!



 ■■■


さて。ではそろそろ釈明の時間ですかね。
最初に言っておくぞ。


300kbといったな。あれは嘘だ。


だが聞いてほしい。僕だって別に悪気はなかったんですよ。
もっと楽に、サラッと二週間ぐらいで済ませたかったんですよ。ずっと待っていて愉しみすぎたが故にソフト版もダウンロード版も買ってワクテカしていたP5だってまだ触れてもいないんですよ。
でもなぜかこうなってたんだ。分かってくれるね。グッドデライト!


よし、そんなコトよりピクト人の話をしよう。
ホントは六章でニトクリスが『キャメロットが相手なら、安価で召喚に応じてくれる絶対キャメロット殺すマン』として召喚する予定だったのです。
ですがちょっとキャラ作成が間に合わなさそうだったので、そのあたりのくだりはバッサリカット。ピクト人は歴史の闇に封印されたのですが、なんか現れたらしいです。一日限定で。さすがカエサル、次はねえぞテメェ。

以下は六章でのお話。

  ◆

ピクト人「我々の召喚通常価格は1バトルにつき聖晶石100だが、
     キャメロット相手ならむしろこちらが石を10送ろう」
ニトリ「乗りました! ぜひ1ダースお願いします!」

 ファラオ軍、聖都軍との会戦。
 ニトクリス涙目で神殿に帰還、速攻召喚陣を作る。

ニトリ「すみません、あと3ダースお願いします!」
ピクト人「それは無理だ。協議の結果、これ以上の参戦は不可能となった。
     諦めよざざーん女王」
ニトリ「何故なのですか!?」
ピクト人「おまえたちに渡す石が尽きた。もう手持ちが7個しかない」
ニトリ「(アナタたちは)馬鹿なのですか!?」

  ◆


ここから制作の裏話。

突発的にイベントが決まった、とコメントされていますが、
突発というのは「シナリオ&絵を書いたから、今すぐやって」というものではなく、
スケジュール会議(半年先・一年先を決め込んだもの)で「こういうイベントにしたいのですが」と提案するものです。
どんな突発イベントであれスケジュール会議の段階で内容や使用素材は決定されており、
本格的な開発スタート実装予定の三~二ヶ月前からとなります。つまり、


予定通り、というのは一年前から決まっているもの。
突発的な、というのは四ヶ月ぐらい前に協議したもの、なのです。


ただ三蔵ちゃんは確かに特殊なケースで、週間イベントとして作成を開始したところ、
シナリオが長くなったので制作過程で二週間イベントに設計しなおしたものでした。

また、予定通りなら一年前、というのはFGO企画時の原初のスケジュールのこと。
たとえばメインシナリオですが、どのサーヴァントが出るか全七章のタイトルが発表されたイベント(2014年 UBW)の時点で、既に決定されていました。

当時、ノウハウのなかった我々は制作するサーヴァント一覧を作り、
その後、設定構築、イラストレーターさんへの発注、、バトル案、と様々な設計に入りました。

メインシナリオは基本、「実装サーヴァント」と「その時代でやれること」を
もとにシナリオプロットを作ったものです。
「物語のために」参加サーヴァントが決められたのではなく、
「参加サーヴァント」から物語を構築したカタチですね。

なので一部までの登場サーヴァントはほぼ決まっていたので「予定通り」の作成。
逆にメインシナリオに登場していない、イベント初登場のサーヴァントは
「突発的な」サーヴァントと言えなくもありません。


このあたりの制作進行は企画開始時のシステムによったものなので、
一部以降はより自然なカタチでのシナリオとサーヴァントの組み合わせが展開できると思います。


以上、ちょっとだけ裏話でした。また、こういった制作の解説はしていいかきちんとデライトワークスの凄い人(プロデューサーの塩っち)からオープンにしていいと許可もらってるので安心してくれ。

October 15, 2016

October 15, 2016

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2016/10/15 : 今日の会議(きのこ)
人間、誰だって間違いはおかす。
きのこはいつだって早とちりをする。
そういう生き物なのだ。


 ■■


昨日の定例会議にて。

議題もほぼ終わり、次の現場に向かうきのこを申し訳さなそうに呼び止める塩っち。

塩川さん「奈須さん、実は一つ、困っている事がありまして」
奈須きの「はい、なんでしょう。七章はリソース面でご迷惑をおかけしていますのでもうなんでも聞きますよ。なんならあと100kbぐらい足しますよ」
塩川さん「やめてください死んでしまいます。そうではなくて、個人的な話なのです。
     あのですね。こういう間違いを指摘するのはたいへん心苦しいのですが……
     私ですね。プロデューサーではなく、クリエイティブディレクターなのです」
奈須きの「え」
塩川さん「クリエイティブディレクター」
奈須きの「だってオレの無茶ぶりを聞いてくれるの塩川さんじゃん!?
     一番偉いんじゃなかったの!?」
塩川さん「いえ。クリエイティブディレクターだから一緒に悪だくみできるのです。
     ―――ゲームの面白さ優先で」
奈須きの「なるほど」

November 2016

November 9, 2016

November 9, 2016

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2016/11/9 : いよいよ!(きのこ)
『Fate/EXTELLA』、いよいよ発売だよー!

 アクションゲームという題材で『Fate/stay night』のような、物語主体のものを作ってみたい。
 そんなチャレンジ精神を、マーベラスさんと一緒にカタチにしてみました。
 一ルート平均四時間(そのルートのサブサーヴァントシナリオをやるとプラス2時間ぐらい)がメインヒロイン分ありますので、週末の休みを利用してゆっくり&たっぷり楽しんでいただければと思います。
 なので、二週間ぐらいはネタバレ禁止で一つ。

 ◆

 ここからちょっと訂正事項をば。

 EXTELLAのマテリアルにあるガウェインの項目で「得意なもの:職場への不満の封殺」とありますが、これは「新しい職場への不満の封殺」です。
 なぜそうなのかはEXTELLAをプレイして20分ですぐ分かるヨ。

 そして今月号のコンプティークで奈須きのこ&佃プロデューサーの対談があるのですが、こちらに誤りがあります。
「奈須きのこと共にサブストーリーのシナリオを担当する桜井光」
 という一文があるのですが、正しくは
「奈須きのこと共にシナリオを担当する」
 です。光分はサブサーヴァントだけじゃないンだぜ!


 ◆


 そしてちょっとだけFGO話。
 アニメ特番、ついに公開されました!
 ついでに主人公の名前も公開されました。
 基本的に主人公の名前はないほうが好ましいのですが、アニメである以上つけねばならぬ。
 男性主人公にも、女性主人公にも合う名前……
 男性の場合は名字で呼ばれるとそれっぽく、
 女性の場合は名前で呼ばれるとそれっぽい……
 そんな思いをこめて『藤丸立香』という名前にさせて戴きました。
 ぐだ男/ぐだ子 ともども、よろしくお願いします。

November 12, 2016 (First)

November 12, 2016

2016/11/12: Grateful EXTELLA (Kinoko)
Fate/EXTELLA is out!
I'm truly grateful to the production team and everyone who waited for the new EX title.

I can't fully express my gratitude, but at least allow me to repay it with words.
So, I've decided to upload this EXTELLA/zero outline, which was never meant to see the light of day.

"How does the start of a new series treat EXTRA and CCC?"

This was made to address that problem.
I wanted to put this in a book someday if there was a chance, but I might as well publish it here.
This doesn't contain spoilers for EXTELLA, so those of you who have beaten both EXTRA and CCC can read it freely.

It's long, so I'll divide it into two parts.


 ◆◆◆



■ Fate/EXTRA/EXTELLA Character Outline

※ There's only one route, so Nero takes the role of saving, guiding, and helping Hakuno grow.
Don't forget that this is a boy-meets-girl story.

・ Kishinami Hakuno (Protagonist)
The archetypal protagonist who wakes up in SE.RA.PH to find himself caught up as a participant in the Holy Grail War.
He has memories of life (daily school life), but no other memories.
His abilities are extremely mediocre as a wizard. Fortunately, he has a personality that never gives up, holds no grudges, and always tries to do the right thing. Miraculously, he attains victory. In short, he's someone who can't quit.

 →→
First Spoiler (revealed in the middle and later half of the story)
His identity is the same as that of the NPCs on campus, merely "recreated data from past humans."
(It is less expensive for the Moon Cell to model NPCs after past humans, but the Moon Cell fundamentally cannot understand humans (intelligent life forms))
He gained a self and passed the preliminary round as a human, so he was registered as a Master.

 →→
Second Spoiler (revealed at the end of the story)
The human he was recreated from is in cold sleep on Earth, neither alive nor dead.
This is why the NPC managed to gain an ego and autonomy.
(This has to do with where souls reside in TYPE-MOON, but that isn't explained in this story.)

・ Saber (Nero)
The Servant who was summoned in response to Hakuno's call.
(Summoning details are in Material, under Saber's entry.)
A female knight who acts as she pleases and whole-heartedly glorifies life.
Her speech and attitude are pompous, but at her core, she respects all that is beautiful.
She appears condescending, but actually reacts to most things with a "wow, that's amazing. How impressive! But I won't lose, either!" attitude.

Her physical abilities are below average for a Servant, but her Skill "Imperial Privilege" is powerful. A true genius displays her talents in all areas. Red Saber's strength can be considered her ability to learn anything that is possible through human levels of effort or talent.

Saber is reluctant to reveal her true name.
It is not because she wishes to conceal her identity as the infamous tyrant Nero, but because she is afraid that Hakuno will dislike or be disappointed with her if he knows her name.
During the fifth round, she moves past this hesitation and reveals it herself.

・ Girl Classmate (Female Protagonist)
A girl who occasionally crosses paths with Hakuno, leaving him a casual word of advice.
She's always eating a noodle sandwich.
She wasn't in the PSP version, so the audience would misread her as "a new heroine!?"

 →→
 Spoiler (Round 7)
The same entity as Hakuno. Personnel data: a NPC created by SE.RA.PH, modeled after Kishinami Hakuno. However, she was configured as a female due to overlapping identity.
She gained an ego in connection with the same event for Hakuno, and advanced as a Master.
(※ She didn't gain a soul. Hakuno gained a soul, and the aftermath of this awakened her ego.)
Because her data was modified further after recreation, she quickly becomes aware that she is not a legitimate being.
As a degraded copy, she cannot withstand the installation of an ego (soul), so she is destined to disintegrate.
(※ Even if she wins the seventh round, she will then disappear. Only Archer deduces this.)

・Archer (Nameless)
The Female Protagonist's Servant. He is a Servant summoned to a Master without a soul, so his summoning circumstances are also irregular.
Half of his body is crumbling and burned.
Knowing the Female Protagonist's situation, he helps her fight to the bitter end.
 → Every time Hakuno is alone and in a pinch, Archer saves him. As for why he does this, if Hakuno dies, so does the female protagonist. Archer is trying to give his Master a conclusion where she doesn't lose until the very end, and accepts her end even though she couldn't survive.
 →→ Archer is partially destroyed, so Nero and Tamamo don't recognize him in the world of EXTELLA. Also, the Nameless that appears in EXTELLA comes from a world where the Female Protagonist won.

・ Rin & Rani
Fewer appearances than in the PSP version, but their position is unchanged.

・ Leo
The heir to the Western European Conglomerate. A perfect prince. The strongest foe in the PSP version.
His role is the same in the PSP version, but this time he is defeated in the sixth round.

 →→ Foreshadowing
Out of curiosity, Leo talks to Kishinami Hakuno many times, but several of the conversations are inconsistent.
"Oh, didn't we talk about this before?"
"Yes, I'm interested in you, too."
He says things like that, because he's interacted with the Female Protagonist in the same way.
Leo loses to the Female Protagonist in the sixth round, so this time, he realizes that the Female Protagonist has the potential to defeat him.
・ Saber (Gawain)
Leo's Servant. Unchanged from the PSP version.

・ Julius
Leo's older brother. An assassin who handles the dirty work. On Earth, he doesn't have much time left to live.
He eliminates Leo's enemies without regard for his own survival.
His position is unchanged from the PSP version. He is openly hostile to Hakuno, and is Hakuno's greatest rival.
Julius' special animosity towards Hakuno (and the Female Protagonist) is because Hakuno is the same type of person as Julius.
On a deeply subconscious level, Julius rejects the notion that a normal person, possessing nothing and chosen by nobody, could rise to become Leo's greatest enemy.
It also stems from Julius' irritation that he was unable to do the same.

・ Assassin (Li Shuwen)
Julius' Servant. Position is unchanged from the PSP version.

・ Matou Shinji
・ Rider (Drake)
The opponent in the first round, which has the theme of fighting a friend. Unchanged from the PSP version.

・ Atrum
The opponent in the fourth round. His Servant is Caster (Tamamo no Mae).
A new Master for the EXTRA storyline that was reorganized for EXTELLA. A user of sacrificial magic that kills and creates life.
Acquainted with Leo on Earth. In the world of EXTRA where fossil fuel resources have run dry, he lacks the cockiness and carelessness of his Fate/stay night counterpart. However, his basic personality is the same.
A self-proclaimed feminist, but it's obvious in reality that he views women only as tools.
He speaks respectfully to Caster, but also looks down on her.
After the Moratorium of Round 4, he sends Caster to seduce Hakuno (to gain his sympathy).
"You don't need win the boy over. As long as you can ensnare him, it'll be a windfall for us."
"Me? I have things to do. Dirty jobs are a Servant's duty, right?"
Casko wearily follows his order, replying "By your command."
After dispatching Casko, Atrum accesses a proprietary hidden circuit to Earth to find data on Kishinami Hakuno, but fails to turn up anything. This troubles him.

After Atrum loses to Hakuno in their duel, Atrum uses Caster as a scapegoat to avoid the destruction of his own body, and flees.
After he escapes from the firewall, he is dealt with by Julius or the Moon Cell.

・ Caster (Tamamo no Mae)
Appears as Atrum's Servant.
From the start, she is aware that she is expendable to Atrum, but she does not resist fulfilling their pact. (Of course, if Atrum were to sever their contract, it would be a different story.)
When she comes to Hakuno on Atrum's orders to seduce him, Hakuno asks,
"...Umm, I don't understand why you're doing this,"
which confuses her.
Fox: "I suppose, in short, that my Master's naive strategy is to have me drown you in my charms and end you in your sleep. Failing that, sympathy might still move you to carelessness during your final duel..."
Having heard Casko's circumstances and taking issue with them, Hakuno becomes serious.
Hakuno: "Have a seat, Caster."
Hakuno kneels across from Caster.
Casko does the same. Hakuno begins to give her a stern lecture out of concern for her well-being.
This is the first event that leads to Caster falling in love.

After their duel, Casko burns away, as Atrum's scapegoat.
The protagonist then uses his Command Spell to try and save her.
Casko is restored, without a scratch. "Ah, I'm finally free!" The way she easily withstands the assault of the firewall is similar to Arcueid's scene.
Afterwards, she cooperates with Hakuno as his (self-declared) true Servant.
Nero: "Damn you -- who let this raccoon- no, this fox into our den!?"
Fox: "That's obvious. As if the curse of a third-rate Master could roast me!"

・ Dan
・ Archer (Robin)
The opponent in the second round, which has the theme of defeating one's senior and mentor in life.
Position is unchanged from the PSP version.

・ Twice Pieceman
The final Master who awaits Hakuno in front of the Moon Cell's core, after the seventh round.
Position is unchanged from the PSP version.
However, to make his appearance less sudden, he would appear frequently throughout the story.
※ He could also interact with the Female Protagonist instead of Hakuno.

PART II

Continuing on...

  ◆

■ Reorganization
※ This is basically meant to be a shorter version of the plot, so it only contains the essentials. Unfortunately, I have to cut the excess fat.
※ That said, in the end this is a reorganization of the Nero route. There are differences from the Tamamo no Mae and Nameless routes. For example, in the Tamamo route, the event that occurs on the path to the core is completely opposite.

・ Awakening ~ Preliminary Round ~ Servant Summoning
From the top...
"A girl falls on the water's surface, lying face up. It's the Female Protagonist before she disappears, after losing to Hakuno in the sixth round."
This scene would be interesting to include. The audience would be misled to believe she was someone who died in the preliminaries, but the truth would be revealed in after the sixth round.
※ This is just meant to be a surprise scene, without any bearing on the story. It doesn't have to be included.

The protagonist notices the incongruity in school life, escapes from the Inside of the World (the Inside of the Texture), fights a doll, and summons a Servant.
Unchanged from the introduction to the PSP version.

・ Round 1, Beginning
Round 1 begins while the mood is still carefree, while explaining SE.RA.PH., the Moon Cell, the Holy Grail War, and the state of Earth.
The atmosphere of Round 1 is "this is a game," "this is a proxy war," and "this feels like a game."
The opponent in the first round is announced. Hakuno faces Shinji.
→ In the PSP version, the opponent in each round was announced on a bulletin board, but if we have the budget, I'd like to make it more flashy this time.
We could show the audience the tournament brackets and where each character is.
Also, the Masters can casually face off in in the halls, and we can also have Casko smugly appear.

・ Round 1, Conclusion
Events from the competition against Shinji, to the elevator ride, until the final duel.
Demonstrates that this isn't a game, but rather a ruthless battle for survival.
Drake: "Don't you all realize that you were dead as soon as you got here?"
They were all a great herd of fools lured in by the colorful promise that their wishes would be granted.
Of course, some were staking their lives on the competition, but the majority of them had been deceived.
Even Hakuno is troubled. "What reason and wish do I have for fighting in this war for survival?"

  →→ Point
It left a bad taste in his mouth to join this tournament with neither convictions nor goals, and fight his own friend.
It struck him that unmindful murder and innocent fights to the death → Real death.
Shinji: "I thought it just granted wishes! Why do I have to die!?"
Drake: "Look, that's just what it means to live. All people are unaware that they trample on the wishes of others."

・ Round 2
The heartbroken protagonist fights Dan, the old soldier.
The old man who fights with regrets about his life, and the Heroic Spirit Robin who died in regret.

・ Round 3
Round 3 is unchanged from the PSP version.
After Hakuno wins, his next opponents Atrum and Casko appear to put on haughty airs. "You face us next, oh ho ho."

・ Round 4
Atrum is a character related to both Leo and Earth, so he serves the supporting but important role of explaining much of the setting, such as the state of Earth, and how it ended in the 2030s.
Atrum affects goodwill, taking the "you should lose, so that I can live to save the world" approach to sway Hakuno's resolve.
Hakuno, who has no identity, hesitates. However, he overcomes Atrum's intimidation by realizing that although Atrum's words are true, Atrum himself is not. They fight as Masters.
As a result of the duel against Atrum, Casko decides to help Hakuno while avoiding detection by the Moon Cell. She becomes a useful and helpful friend.
Of course, she schemes to defeat Nero and take her place as the main Servant, given an opening.
Nero is aware of this, naturally. Casko and Nero share a friendly, combative relationship.
→Their relationship is changed from "heroines of different worlds" to "heroines in the same world."

・ Round 5
Hakuno fights Julius in the fifth round.
Nero is rendered unable to fight by Assassin's Noble Phantasm.
With Casko's assistance, Hakuno challenges Julius and Assassin on his own.
Thanks to Hakuno's efforts, Nero recovers, and the story proceeds as it does in the latter half ot the PSP version.
After Nero recovers, she tells Hakuno her true name. Her Noble Phantasm is finally unsealed.

・ Missing Chapter
This is when CCC takes place. Casko remembers all of it. Nero only remembers, "Elizabeth is my lifelong rival. But which round did we fight in?"

・ Round 6 ~ early Round 7
Rin and Rani are defeated in round 6, and say their farewells.
Hakuno anticipates a showdown with Leo next... but Leo is reported to have been defeated.

Leo has fallen, but the name of the Master who proceeded to round 7 is hidden by jamming, and the Master is nowhere to be found.
Casko and Saber attempt to investigate, but they are unable to either locate the Master or remove the mosaic obscuring its name.
In a dramatic development, they realize, "what if they aren't hiding? What if their name was always this way to begin with?" They proceed on the assumption that their next opponent is nameless.

They report this irregularity to the priest, but the priest answers, "No. In a sense, your next battle is fair."
Hakuno enters the elevator, not knowing who his next foe will be. No one is next to him.

When he arrives at the arena, it's a wasteland resembling the Grand Canyon.
Hakuno and the Female Protagonist face off, separated by a valley.
The enemy Master was his classmate. "Ah, I knew it," Hakuno says in understanding.
The girl: "Let's begin, Archer. This is my final fight."
Archer appears in response to her order, facing Nero.
The girl dispels the texture concealing her true face.
There she stands, aloof, her hair blowing in the wind.

For a moment, the story switches to the girl's perspective.
It's the story of a girl who suddenly woke up like Hakuno did, and strove to move forward in spite of her lack of self and her impending collapse.
The Female Protagonist's fight against Leo is the same as Round 7 of the PSP version.
→ Even though it was against the Female Protagonist, Leo still lost to "Kishinami Hakuno."

Round 7 concludes. Archer disappears along with the girl.
The Male Protagonist inherits the girl's memories and details of her fight with Leo as his own.

・ End of Moratorium ~ On the way to the core
While traveling the path to the core of the Moon Cell, Hakuno is attacked by a debugging program.
Its target is Casko, not Hakuno. The Moon Cell is enraged that a Servant which should have been defeated is still intact.
→ Hakuno parts ways with Casko. The tone is similar to parting with Casko in the CCC Route of CCC. The debugging is powerful enough to actually erase her in CCC, but the debugging is light in this case, so Casko won't disappear.
Casko schemes to capture the Protagonist's heart and affections by risking her life (which is in no actual danger) in a heart-rending farewell, after sharing a tender scene with him. Nero sees right through it.
"Come back out here!"
"I'll beeeeee baaaaaaaack!"
"She'll live," remarks Hakuno, as he dons his sunglasses.
Hakuno and Saber arrive at the Moon Cell's core. There, they face Twice.

・ Moon Cell Core ~ Savior
Hakuno confronts Twice. Twice gives a long speech.
※ The events here are described in the final entry of the Material glossary.

His thoughts breaking down, Hakuno has a showdown with Twice.
T: "No Servant can reach me. After all, heroes are little more than flowers that bloom in each age.
He who saves the world. My answer is he who saves humanity."
The Servant Savior appears.

The duel against Twice becomes a reflection on human history in the Common Era.
"All this consumption and bloodshed, and this is the conclusion we reach?" laments Twice solemnly.
"So what!?" roar Nero and Hakuno in defiance.
Twice is correct. Humanity is not.
Yet, the final role and responsibility to decide and enforce what is right belongs to the people living in the current era.
It would be even more unacceptable to have it decreed by a ghost from the past.

After Twice is defeated, the ending of the PSP version proceeds to the Saber Route ending of CCC, and the story feels like it connects to EXTELLA.
It leads to a new beginning that collects all of the previous components.
That said, in the end this reorganization is supposed to be vague, in the sense that "this seems to have happened."
For example, the tense but inseparable relationship between Nameless and Cu Chulainn, Gilgamesh and Artoria's connection, and other factors aren't described in EXTRA and CCC. I hope that the audience will accept that these fuzzy connections similar to the ones from Fate/stay night might have existed in the EX world, too.

   ◆

That's one portion of the materials from before we began developing EXTELLA.
It's just background for the story which will never appear as a concrete title, so don't worry about the typos.
I hope you enjoyed reading this, even if it was just my thinking "hmm, this is how we might need to redefine multi-route games that continue as a series."[Translator 7]

2016/11/12 : 感謝のエクステラ(きのこ)
Fate/EXTELLA、無事発売されました!
制作チームの皆さん、そして今回もEXを待っていたくれた皆さん、真にありがとうございました。

感謝の気持ちは尽きないのですが、言葉だけでは恩返しになりませぬ。
なので、お蔵入りさせる予定だった「EXTELLA/zero」をアップしたいと思います。

『新シリーズを始めるにあたりEXTRAとCCCをどう扱うか?』

その問題の整理として作られたものです。
いつか、機会があったら何かの本に載せようと思っていたものですが、
せっかくなのでここで公表します。
EXTELLA本編のネタバレではないので、EXTRA、CCC、共にクリア済みの人なら容赦なく見ていってください。

でも長いので二回に分けるよー。


 ◆◆◆



■Fate/EXTRA/EXTELLA キャラ概要

※1ルートのみなので、全編通してハクノを助け、導き、成長させるのはネロの役割となる。
 二人のボーイミーツガールである事を忘れてはならない。

・岸浪白野(主人公)
 気がつけばSE.RA.PHにおり、聖杯戦争にエントリーしていた巻き込まれ型主人公。
 生活記憶(日々の週間)はあるものの、他の記憶を思い出せない。
 ウィザードとしての能力はきわめて平均。『諦めない・恨まない・とにかく最善を尽くす』という性格が幸いして、奇跡的に勝ち上がっていく。一言で言うと『投げない人間』。

 →→
 第一のネタ明かし(物語中盤~後半で判明)
 正体は校舎にいるNPCたちと同じ、『過去の人間を再現したデータ』にすぎない。
(ムーンセルが過去の人間をモデルにしてNPCを作るのはコスト削減もあるが、本質的にムーンセルには人間(知的生命)を理解できないため)
 それが自我を獲得し、ひとりの人間として予選をクリアしてしまったため、マスターとして登録された。

 →→
 第二のネタ明かし(物語終盤で判明)
 再現もとになった人物は地上で冷凍睡眠中。生きてはいないが死んでもいない状態。
 なぜNPCが自我をへ―――自由性を獲得したかはこれが原因とされる。
(TYPE-MOON伝奇における魂の所在の問題だが、今回は説明しない)


・セイバー(ネロ)
 白野の声に応え、自ら召還されたサーヴァント。
(召還時の詳細はマテリアル、セイバーの項目を参照)
 全身で生を謳歌する、自由気ままな女騎士。
 尊大な口調、態度ではあるが、根底にあるものは『すべての美しいものへのリスペクト』である。
 上から目線のように見えて、実はたいていのコトに「それは凄い、たいしたものだ。余も負けないぞっ!」と前向きな所感を述べている。

 能力自体はサーヴァント中、中の下。ただしスキル・皇帝特権が強い。真の天才とは万能を示すもの。人間の範囲での努力・才能で習得可能なスキルならなんでもこなしてしまうのが赤セイバーの強みと言える。

 セイバーは己の真名(しんめい)を明かしたがらない。
 真名が悪名高い暴君ネロである事を隠したいのではなく、真名を知られて白野に嫌われる、失望されるのが怖いからだ。
 そんな迷いも五回戦の戦いを経てなくなり、自ら真名を明かす事になる。


・クラスメイトの少女(女主人公)
 白野が行き詰まるとたまたま通りすがり、なんとなくふわっとした助言を残して去っていく少女。
 いつもやきそばパンを食べている。
 PSP版にはいなかったキャラなのでユーザーに「新ヒロイン!?」とミスリードさせる

 →→
 ネタ明かし(七回戦目)
 白野の同位体。人物情報:岸浪白野をモデルにSE.RA.PHが作成したNPC。ただし、同一存在は矛盾が生じるので女性としてアレンジされたもの。
 白野が自我を獲得した事で連鎖的に自我を獲得し、以後はマスターとして勝ち残っていく。
(※魂を獲得した訳ではない。魂を獲得した白野がいるので、その恩恵、余波で自我に目覚めただけとする)
 再現データのさらにアレンジなため、自分が「正規のものではない」といち早く認識にしている。
 劣化コピーであるため自我(魂)の搭載に耐えきれず、いずれ自壊する運命。
(※七回戦目を勝ち残ってもその時点で消滅するが、その事実を察しているのはアーチャーだけとする)


・アーチャー(無銘)
 女主人公のサーヴァント。魂を獲得していない女主人公が召還したサーヴァントのため、こちらも正規の召還状態ではない。
 半身が崩れている、焦げているイメージ。
 女主人公の状態を知りながら、彼女が最後まで戦い抜くよう力を貸している。
 →ことあるごとに白野がひとりでいる時のピンチを救ったりもすると伏線になる。なぜアーチャーが白野を救うかと言うと、白野が死ぬと女主人公が死ぬからだ。アーチャーは「女主が最後まで負けず、生き残れなかったけれど納得して消滅する」結末を目指している。
 →→半壊している為、ネロと玉藻は以後のEXTELLA世界であっても誰か分からない。一方、EXTELLA世界の無銘は「女主人公が勝利した世界」からのもの。

・凛&ラニ
 PSP版より出番は控えめだが立ち位置は変わらず。

・レオ
 西欧財閥の次期当主。完璧な王子様。PSP版では最強の敵。
 PSP版でもその立ち位置は変わらないが、六回戦目で敗退する。

 →→伏線
 岸浪白野に興味をもち何度も話しかけてくるが、何度か辻褄の合わない会話をする。
「おや? この事は前にも話しませんでしたか?」
「ええ。貴方にも興味はありますよ」
 といった。レオは女主人公にも同じように接触していた、という説明。
 六回戦目で女主人公に敗れるレオなので、レオが本当に「もしかしたら自分を倒す要因」と気づいていたのは女主人公の方とする。
・セイバー(ガウェイン)
 レオのサーヴァント。PSP版とさして変わらず。

・ユリウス
 レオの兄。汚れ仕事を請け負ってきた暗殺者。地上では余命幾ばくもない。
 生還する事は考えておらず、レオの敵となるものを排除している。
 PSP版と立ち位置は変わらず。白野にとって、敵意をむき出しにしてくる最大のライバル。
 ユリウスが白野(と女主)を特別な敵意を向けるのは、ユリウスと白野が同じタイプの人間だから。
『何も持たない、選ばれなかった一般人』がレオに意識され、レオの最大の敵となる事を深層意識下で否定している。
 それは『そうできなかった自分(ユリウス)』に対する苛立ちでもある。

・アサシン(李書文)
 ユリウスのサーヴァント。PSP版と立ち位置変わらず。

・間桐シンジ
・ライダー(ドレイク)
 友人との戦いをテーマにした一回戦の相手。PSP版と変わらず。

・アトラム
 四回戦の相手。サーヴァントはキャスター(玉藻の前)。
 エクステラのための、EXTRA再構成用の新マスター。「生命を殺して生命を生かす」代償魔術の使い手。
 レオと地上で面識あり。石油資源が枯渇したEXTRA世界なのでステイナイトのアトラムより余裕がなく、油断がない。でも基本的な性格は変わらない。
 フェミニストを自称するが、その実、女性を道具としてしか見ていない事がバレバレ。
 キャスターを尊重すると言いながらも見下している。
 四回戦のモラトリアム中、キャスターを白野のもとに向かわせて色仕掛け(情を移させる)をさせたりする。
「キミはあの少年に誘いでもかければいい。うまく籠絡できるのなら拾いものだからね」
「私? 私は私でやる事かある。汚れ仕事はサーヴァントの本分だろう?」
 キャス狐、「……承知いたしました」と物憂げに従う。
 そうしてキャス狐を送った後、独自の秘匿回線で地上にアクセス、岸浪白野のデータを収集するが一切の情報がなく、困惑する。

 決戦時、白野に敗北した後、キャスターを生け贄にして崩壊する自分の体を保ち、逃走。
 ファイヤーウォールから逃げた先でユリウス、ないしムーンセルによって処理される。

・キャスター(玉藻の前)
 アトラムのサーヴァントとして登場。
 アトラムに使い捨てられる事を初めから理解しているが、契約者には最後まで従うので反論はしない。(無論、アトラムから契約解除すればまた話は別だが)
 アトラムの命令で白野を籠絡に来るも、白野に
白野「……えーと。なんでそんな事をしてくれるのか分からない」
 と返されて困惑。
狐「そのですね。ようは、貴方を私の色香でおぼれさせ、寝首をかければしめたもの。そうでなくとも情が移れば戦いで手が緩むのでは、というマスターのあまったれた戦略といいますか―――」
 つい事情を説明するキャス狐と、それを聞いておかしい、と真剣になる白野。
白野「ちょっと。キャスターさんはそこに座ってください」
 白野、正座してキャスターと向き合う。
 つられて正座するキャス狐。白野のまじめな、キャスターを気遣った説教がはじまる。
 キャスター、恋に落ちるフラグそのいち。

 決戦の後、アトラムによって生け贄にされ燃え尽きる。
 それを助けようと令呪を使ってしまう主人公。
 あっさり復活するキャス狐。「あー、やっと解放されました!」このあたりのノリはファイヤーウォール消滅をあっさり耐えたアルクェイドに近い。
 以後は白野の真のサーヴァント(自称)として協力する。
ネロ「貴様―――さてはたぬき、いや狐寝入りだったな!?」
狐「そんなあったり前です。あんな三流マスターの呪術に焼かれるワケないっつーの」


・ダン
・アーチャー(ロビン)
 人生の先達、師を倒す事がテーマの二回戦の相手。
 PSP版と立ち位置変わらず。

・トワイス・ピースマン
 七回戦の後、ムーンセル中枢の前で待ち受ける最後のマスター。
 PSP版と立ち位置変わらず。
 ただし登場が唐突にならないよう、頻繁に登場させるように。
※白野とは合わず、女主人公と接触していた、というのもアリ。

November 12, 2016 (Second)

November 12, 2016

Untranslated

2016/11/12 : 感謝のエクステラ(Ⅱ)
では続きを。

  ◆

■再構成 アタリ
※基本的にすべてショート版にしているので、必要な要素だけを取り上げるように。贅肉部分は残念ながらカット。
※とはいえ、これはあくまで「ネロルートだった場合」の再構成。「玉藻の前ルートだった場合」と「無銘ルートだった場合」は細部が異なる。たとえば玉藻ルートの場合、「中枢への路」でのイベントがまったく逆になる。

・目覚め~予選~サーヴァント召還
 冒頭で
『水面の地面、あおむけに倒れ込んだ少女。六回戦目で白野に敗れ、消え去る前の女主人公』
 のシーンをいれるのも面白い。ユーザーには「予選で終わってしまった誰か」とミスリードさせて、これ六回戦目の後のシーンですよ、とタネ明かしする。
※物語的に意味はないのでただのサプライズ演出。あってもなくてもいいもの。

 学園生活から違和感に気づき、世界の裏側(テクスチャーの裏側)に脱出してからのドールとの戦闘→サーヴァント召還まで。
 PSP版のオープニングと変わらず。


・一回戦開始
 SE.RA.PHとムーンセル、聖杯戦争、地上の説明などをしつつ、まだふわふわした空気のまま一回戦開始。
「これはゲーム」「地上の代理戦争」「ゲーム感覚」な一回戦の雰囲気。
 一回戦目の相手が発表され、シンジと敵対。
 →PSP版では対戦相手の発表は掲示板で行われていたが、予算があれば今回派手にしたいところ。
  トーナメント表を見せ、誰がどこにいるのか、ユーザーに開示するのも手。
  また、マスターが一堂に会する場面ではさりげなく、そしてドヤ顔で「キャス狐」をだしておく。

・一回戦 決着
 シンジとの競争、エレベーター、決着まで。
 これがゲームではない、残酷な生存競争である事の提示。
ドレイク「あのなあ。ここに来た時点で、おまえたちは全員死んでいるようなもんじゃないか」
 願いが叶う、なんてふわふわした言葉につられて集まった愚者の群れ。
 もちろん、中にはきちんと「命と引き替えにしても」と参加した者もいるが、大半は騙されたようなもの。
 白野も「自分はどんな理由、どんな願いがあって、この生存競争に参加したのだろう?」と葛藤する。

  →→ポイント
 覚悟のないまま、目的のないままなんとなく参加し、友人と戦うことになった後味の悪さ。
 無自覚な殺人、無邪気な殺し合い。→実際の死を見てドン引く。
シンジ「ただ願いを叶えたいと思っただけじゃんか! なんで死ななくちゃいけないんだよ!?」
ドレイク「おまえな、生きるってコトはそういうコトだ。人間はみんな、無自覚に敗者の願いを踏みつぶしてるんだよ」

・二回戦
 傷心の主人公と、老兵であるダンとの戦い。
 人生に後悔を持ったまま戦う老人と、悔いを残したまま死んだ英霊・ロビン。

・三回戦
 三回戦もPSP版と変わらず。
 勝利後、次の対戦相手としてアトラムとキャス狐が「次の相手は私たちだよ、フフフ」ともったいぶって登場。

・四回戦
 アトラムはレオより地上よりのキャラなので、アトラムが敵として狂言回しをすることで世界観がより広く語られる。
 地上はどうなっているのか。2030年の地球はどう終わっているのか。
 アトラムは「善意の人」をきどって白野に「キミは負けるべきだ。地上を救う目的をもった私を生かすために」といったアプローチで白野を揺さぶる。
 アイディンティのない白野は迷うものの、アトラムの言葉に嘘はないがアトラム自身が嘘なのでアトラムの揺さぶりから抜けだし、マスターとして戦う事に。
 アトラム戦の結果、キャス狐が「ムーンセルの目を盗んで、白野の助けをする」お助け便利サーヴァントとして仲間入り。
 無論、キャス狐は好きあらばネロを蹴落としメインサーヴァントの座を目論む。
 当然、ネロもそれを感じ取っている。キャス狐とネロ、仲良く喧嘩しな状態。
 →EXTRA、CCC、における「二人とも世界は違うけどヒロイン」を「同じ世界で、二人ともヒロイン」という関係に。

・五回戦
 五回戦、ユリウスとの戦い。
 アサシンの宝具によって戦闘不能になるネロ。
 キャス狐の協力はあるものの、単身でユリウスとアサシンに挑む白野。
 白野の活躍によりネロの復活→PSP版の後半の流れに。
 復活したセイバーから真名を教えられる。→宝具、ついに解禁。

・断章
 CCCはこのあたりで起きる事に。キャス狐はまるっと覚えていて、ネロは「エリザベートという終生のライバルと戦った。でもあれ何回戦だったっけ?」ぐらいの認識となる。

・六回戦~七回戦前
 六回戦目で凛とラニを破り、別れを告げる。
 いよいよ次はレオとの対決……と意気込む白野だが、そこにレオ敗退の報が入る。

 レオを破り、七回戦にあがったマスターの名称はジャミングで隠され、マスターの姿もない。
 これを暴こうとするキャス狐、セイバーだがどうしてもマスターを発見できず、名前にかけられたモザイクもとれない。
 発想の展開で、「これって隠されているんじゃなくて、はじめからこの表記なんじゃない?」と気づき、相手は「名前がない」相手なのだと結論づける。

 イレギュラーな事態だ、と神父に抗議するのも神父は「いや。君たちの戦いはある意味公平だ」とも語る。
 敵の正体がつかめぬままエレベーターに乗る白野。隣には誰もいない。

 決戦場にたどり着くとそこはグランドキャニオンのような荒野。
 白野と(女主)は渓谷を隔てて出現する。
 敵マスターはクラスメイトの少女だった。「ああ、やっぱり―――」と納得する白野。
少女「始めるわ、アーチャー。これが私の、最後の戦いよ」
 少女の声に応じて現れ、ネロに向かって跳ぶアーチャー。
 少女は自らのテクスチャーをとき、本当の顔を見せる。
 背中からの風に髪をさらわれながら凛と立つ女主人公の姿。

 ここでちょっとだけ女主人公の視点の話。
 白野と同じく唐突に目覚め、自己不在と崩壊を受け入れながら「先」を目指した少女の話。
 女主人公の六回戦におけるレオ戦は、PSP版の七回戦目と同じもの。
  →レオにとっては女主人公であろうと「岸波白野」に敗れた事は変わらない。

 七回戦目決着。少女ともども消えていくアーチャー。
 女主人公がレオと対決した記憶、経緯を自分のものとして引き継ぐ男主人公。

・モラトリアム終了~中枢へ
 ムーンセル中枢へ。中枢への路でムーンセルのバグチェッカーにひっかかってしまう。
 原因は主人公ではなくキャス狐。敗れた筈のサーヴァントが残っている事にムーンセルげきおこ。
 →キャス狐との別れ。CCCのCCCルートにおけるキャス狐との別れをイメージ。CCCでは本当に消されるレベルのチェッカーだが、こちらのチェックは甘いのでキャス狐消滅にはいたらない。
 キャス狐、いいシーンで終わらせ、(ホントは死なないけど)命を賭して別れる事で主人公の好感度と心をバッチリゲットたぜ!と企む。ネロ、それを見抜く。「いいから出直すがよい!」「アイルビーーーバーーーーーック!」
 酷い事件だったね、と白野とセイバーはムーンセル中枢にたどり着き、トワイスと対面。

・ムーンセル中枢~救世主
 トワイスと対峙する白野。トワイスの長い語り。
※ここ周辺の展開はマテリアルの用語辞典・最後の項目を参照

 思想は決裂し、白野とトワイスは対決する。
ト「いかなるサーヴァントも私には届かない。
  英雄は所詮、時代の花でしかない。
  世を救う者。人を救うものが、私の答えだ」
 現れるサーヴァント・救世主(セイヴァー)。

 トワイスとの戦いは西暦における人類史の回想であり、反省となる。
「これだけの消費を、血を流してこんな結末を迎えたのか」というトワイスの(もっともらしい)嘆きと、
「だからどうした!」と豪快に蹴っ飛ばすネロと白野。
 トワイスは正しい。人類は正しくない。
 でも、それを決定し、粛正するのは現代を生きる人々の最後の責任(やくわり)だ。
 それを過去の亡霊が下す事こそがより醜悪な間違いだと。

 トワイス撃破後はPSP版のED展開から、CCCのセイバールートENDを足したものにしてEXTELLAに繋げる感じに。
 これまでのすべての要素を拾いながら新しいスタートにする。
 とはいえ、この再構成はあくまで「こういう事になったらしい」という曖昧さに留まる。
 たとえば、SE.RA.PH以外にあったであろう無銘とクー・フーリンの腐れ縁やら、ギルガメッシュとアルトリアの因縁やらはEXTRA、CCCで語られるものではないので、こちらも「stay nightであったような因縁がEX世界でもあったのだろう」、とふんわりファジーに受け取って貰いたいので。

   ◆

以上がEXTELLA開発前に作られた資料の一部となります。
決して作品としてカタチにならない「シナリオを書く上での資料」なので誤字脱字があっても気にしない方向で。
「ふーん、マルチルート製のゲームがシリーズ続いていくとこんな再定義が必要になるのか」ぐらいの気持ちでお楽しみいただけたら幸いです。

November 24, 2016

November 24, 2016

Untranslated

2016/11/24 : 無題。(きのこ)
エクステラ発売から二週間!
おかげさまで大成功と言える結果になりました。応援、ありかどうございました!
アンケートもドシドシ届いていますので、良かったところ、悪かったところ、合わせて貴重な意見として参考にさせていただきます!


しかし、いつの間に二週間も経っていたのか……
おかしいな、リボンとかベルとか星とか赤い靴を集めていたらあっという間だったぜ……え? 巷では次のトナカイライフが始まろうとしているだって?
ハハハ、そんな馬鹿な。いかに武内が「幼女が描きたい」パワーを貯めていたからって、まさかそんな、オルタでサンタでリリィみたいな、属性ドカ盛りの配布サーヴァントなんて出てくるワケないじゃないですかぁ~!


A.もう出る

―――マジか。


   ◆


さて。あと数日でJ・D・A・S・Lという焦土兵器によってみんなの頭は
真っ白になると思われるので、その前にEXTELLAの裏話など一つ。
(ネタバレ含むので、まだ未プレイの方はこの先は自重してくだされ)





『Fate/EXTRA CCC』が無事発売した直後、マーベラスさんから次はぜひアクションゲームでやりたい、というオファーをいただいたのがそもそもの発端です。
ストーリーメインのRPGではなくACTなら自分の作業量も少ないだろう、と了解し、
漠然と想定していたムーンセルと対になるアーティーファクトの話を持ってくる事にしました。


問題はヒロインです。
ネロと玉藻の前、無銘はもう『主人公と共に育つ』主役として卒業した感があります。
ゲームがACTならストーリーメインではないのでその方がやりやすいのですが、やはりインパクトが足りません。
新しいシリーズには新しいヒロインが必要。
という事で、EXシリーズ三人目のメインヒロイン(無銘含まず)としてアルテラが誕生しました。


ACTゲームになるなら最後のボスは巨大ボスがいい。
でも巨大ボスを専用で作る予算はない。なら巨大ボスなヒロインに登場してもらえば全て解決さ!
そんて軽い気持ちで巨神アルテラは誕生しました。
ネロと玉藻の前はエンジンが暖まりきっているので『普通のサーヴァント』では二人の強さに負けてしまう。
やるからには唯一性のあるヒロイン、ネロと玉藻とは絶対に被らないヒロインに、という目標にも合致していたのです。


ネロと玉藻の前ルートのシナリオはあくまでACTゲームとして作られていますが、
アルテラルートのシナリオが長いのは、これがアルテラにとっての『EXTRA』だからです。
主人公との関係性、聖杯戦争に代わる旅が『セファール虚説』だったんだ、とお考えください。


ちなみにFGOのアルテラはアッティラの英霊化として桜井さんに担当してもらいましたが、
巨神アルテラと英霊アルテラ、アルキメデスはEXシリーズのものなので奈須担当。
……なので当然、SGとかちゃっかり設定されているンだ……恥ずかしいのをね……フフフ……早くパニッシュしてぇよ……志貴さんって呼ばれてぇよ……いやこれは別の困ったイケメンの魂の叫びだったな……2016年クリスマスもなんとか生き延びてほしい……極悪なピックアップがくるからな……
でもこればかりは自分の一存ではなんともならないので、深く静かに潜行してチャンスを待ちたいと思います。



そんなアルテラですが、企画の段階では英霊アルテラの立ち絵しかありませんでした。
しかしどうしても巨神アルテラも立ち絵が欲しい。しかし今さら追加枠はねじ込めない。一度決まった企画書は絶対である。でも言うだけはタダだからマーベラスさんにお願いしてみよう、と打診したらマーベラスさんも何とか予算を増やしてくれて、後はワダアルコさんのスケジュール次第となりました。
しかしこの頃、アルコには地獄のFGO作業も始まっていたのだった!
「いかに鉄腕アルコといえどこれは……」と発注書をメールしながらも苦悩するきのこ。

「申し訳ありませんが……」と翌日に返信してくるワダアルコさん。

さすがに無理だよな、とメールを読むとあら摩訶摩訶。

「申し訳ありませんが、巨神だからといってアルテラを巨乳するのはよくないと思います。
 いえ、大きなおっぱいにしたいのはホント山々なのですがアルテラさんはダメです。
 hukeさんのあのデザインはスレンダーだからこそ美しいのです。なので体系は変えずにふくよかな体つきにしたいと思います。具体的にはこう。ラフを添付しますね。やっぱり巨女ならペタン座りですよね。それとも奈須さんは体育座りが好みですか? やだー、このヘンターイ☆」

「んー、なに言ってんだこのモンスター?」

いくらなんでも仕事を振りすぎたか。
そう反省しつつも、ワダさんのコメントは説得力に満ちていました。
hukeさんのデザインは完璧すぎて、一点たりとも引くところも、足すところもなかった。
『どんな理由であれアルテラを巨乳にしてはいけない』
そんな強い意志でシナリオライターとイラストレイターは心の握手を交わしたのでした。

「さすがアルコだ何ともないぜ。あと黙っていたけどエンディングではロリ化もするんだ。それもよろしくな。あとナース服も着せたいからそれもよろしくな」


今ははるか昔、2015年の冬の話である。


 ◆


人間と怪物の交友は、奈須きのこにとって常に魅力的なテーマです。
『空の境界』も『月姫』もこの例に漏れません。

怪物を人間として愛するのか。
怪物を怪物のまま愛するのか。

その怪物の心情によって答えは変わるもので、
どちらが正解という話ではありませんが、
アルテラとあの主人公は、互いのありのままの姿を受け入れました。

未明編はアルテラの話でもありますが、『あの主人公』の成長と結末までの話でもありました。

存在のひな形である『魂(本質)』と、
時間と経験によって育まれた『精神(感情)』と、
知覚される事のない習慣である『肉体(本能)』。

空の境界でも扱った『肉体に宿る人格』が何を思い、何を残そうと考えたのか。
最終ルートである金詩編をクリアしてからもう一度未明編のラストを
見直してもらえたのなら、ライターとしてこれ以上嬉しい事はありません。

December 2016

December 7, 2016

December 7, 2016

2016/12/7 : Untitled。(Kinoko)
The seventh chapter is about to start!

    While pondering the new mystery that is Santa Island, what awaits Guda after returning from the sunset sea is, once more, hell.

    Things that rule, and are ruled.

    And those things that run through betwixt.

    The goddess and the king and their labours have been vigorously upended by the concrete mixer, this is the city of Uruk, B.C.

    Though the sixth chapter was written as a heavy story, chapter seven unfolds more like a proper RPG. That is, quests, quests and more quests.

    Anyway, lots of stuff is packed inside, so now that we are one step before the final chapter, please enjoy this last 'journey'.[Translator 8]

2016/12/7 : 無題。(きのこ)
もうすぐ七章が始まるよー!


サンタアイランドという新しい謎を迎えつつ、
夕焼けの海から帰還したぐだを待っていたものは、また、地獄だった。
支配するもの、されるもの。
その真ん中を駆け抜けるもの。
女神と王様と労働がコンクリートミキサーでぶちまけられた、ここは紀元前ウルクの街。


六章が一本の重いストーリーだったのに対し、
七章は王道RPGらしい展開となりました。クエスト、クエスト、またクエスト。
とにかく色々詰め込みましたので、最終章の一歩前、最後の「旅」をお楽しみください。

December 14, 2016

December 14, 2016

Untranslated

2016/12/14 : 無題。(きのこ)

  ◆


意識を持った時から、自分には何もなかった。
記憶も経歴もない。誇るべき過去もない。こんなの、突然発生した亡霊と変わらない。
与えられたのは新人類という肩書きだけ。
母に必要とされている、という事実だけ。
だからそれだけを頼りにした。
新しいヒトである事、旧人類とは違うものという事を盾に振る舞うしか、自らを示す道がなかった。

時折、焼き付いた記録を見る。
目を覚ますと温かな涙を流している。
あまりにも温かな記録。あまりにも満ち足りた出来事。
けれど、それらは自分のものではない。決して、自分に与えられたものではない。
泣き声を押し殺し、胸を衝く郷愁を飲み込んで、
“ティアマトの仔”は自らの存在証明に没頭し、熱中した。
けど胸のうちはいつも空っぽ。
当然だ。何をしても何を見ても、彼には“自分のもの”が、何一つ無かったのだから。

……それでも、望みのようなものはあった。
母と同期させた怪物―――復讐心しか持たない女神に気を許したのは、
彼女が自分と同じ空洞だったから。
復讐を求めながら違う“何か”に手を伸ばす女神を、彼は見下しながらも哀れんだ。
偽りの母と嘲りながらも、せめてこの怪物には救いがあるようにと。


  ◆


ムーチョムーチョ!
ガチャの結果はアルトリアアルトリアジャンヌでした! ヤッタね!

さて。七章公開から一週間が経った今日、いかがお過ごしでしょうか。
もう終わった? 林檎とかとうぶん食べたくない?
素晴らしい。そんな生き急ぐ皆さんの為の、恒例のネタバレトーク始まるよ~!



とはいえ、あまり長々と裏話をする余裕がない状況なので、今回は走り書きレベルのものをパラパラと。


・マーリン!
ついに登場、花の魔術師。
色々と設定がたてこんでいるキャラです。
七章だけでも分かるようになっていますが、より詳しく知りたい人は
『Fate/stay night UBW BOX1』の特典である特典小説『Garden of Avalon』を読んでいただければ大体分かります。
あるいはドラマCD『Garden of Avalon』を。こちらの方が手に入れやすいといえばやすいが、UBWも実はFGOのメインプロットと同時期に作成したものなので、アインツベルン城でギルガメッシュが今なら馴染みのある単語を口にしていたりとでお勧めではある。
また、六章でいまいち分かりづらかったところも分かるので、円卓が気になった人もいつかチェックしてくだされば幸い。


・キーング、ハサンーーー!
“山の翁”、ようやく参戦となりました。
CVはもうこの人以外ありえない、というお方です。こちらも収録は二年ほど前だったので、中の人には実装、たいへん長らくお待たせいたしました……!
宝具の台詞ですが、あれは
「晩鐘は汝の名を指し示した。告死の羽―――首を断つか、アズライール……!」
だったりします。分かりづらくてすまん。
そしてFGOサーヴァントの中で、一番初めに戦闘ボイスを作ったキャラでもある。それぐらい思い入れが強い宝具台詞です。
イラストレーターであるRyota-Hさんからデザインをいただいた時の感動を、なんとかゲーム画面に落とし込めたと思います。
ほんと早くうちのカルデアに来てほしい。―――願わくば、末永くな。


・イシュタルとエレシュキガル
七章容量増えすぎ問題の主犯。
あんなに生き生きとした表情をもらったらそりゃあシナリオも長くなるってものです。
七章のテーマは神話体験でもあったので、どうしても冥界下りのイベントを入れたくてエレシュキガルも登場と相成りました。
サーヴァントとして自由に地上を活動できるのはイシュタルだけで、エレシュキガルは半ば霊体のみとなります。
なので地上で活動する時はイシュタルの体を使っていた、という話。(イシュタルが眠っている隙に乗り移っていた)
また夜の会話イベントですが、あれはエレシュキガルがいなくてもイシュタルも似たような話をふってきたと思われます。
気持ち的に、イシュタルは『颯爽と生きる、責任感のある女』としての凛部分で、エレシュキガルは『生真面目な秀才、恋にも真剣な少女』としての凛部分。


・千里眼たちの距離感
マーリンとギルガメッシュの関係は同じ能力を持つ者同士の「辛いところも、やるべき事も分かっている」者同士の、多くは語らないが同士、という距離感。
ギルとマーリンに関しては『15節-1 戦闘後』の会話が肝。
友でもなければ同胞でもないが、この地上で数少ない“同じ職場の同僚”といった連帯感というか。
千里眼持ちたちは直接面識がせなくても互いを意識しあっている溜め、初対面であってもタメ口だったり馴れ馴れしかったりします。


・特異点での人理精算
特異点での被害は「その年」ではなく「その年代」になるので、だいたいのプラマイはとれるという目算です。
そもそも人理定礎となる時代の転換期なのでプラスも多ければマイナスも多い、とギルも言っていたじゃろ?
『これはどう見ても突然死にしか処理できない』と『まあぎりぎりで寿命が早まるだけでOK』、そして『その人物が欠けた事で余所の土地からやってきた人が代わりに功績を残す』といった帳尻合わせになります。

四章の時計塔の連中なんてお偉いさんはさっさと逃げている&そもそも時計塔の人材はロンドンに集中していない。問題はスコットランドヤードだが、まあ、そこは殉職やら移転やらが多い時代だった、という事に。

六章は基点となった獅子王自体が『有り得ないもの』だったので、獅子王による被害は獅子王の消滅と共にホントに「ノーカン」となった。人理精算は『獅子王に倒された謎のサーヴァントの被害まで』となる。

七章も獅子王と似たようなもので、ティアマトだけでなくギルも潔く消えた事でティアマトの被害がノーカン。被害は三女神同盟までのものに、となります。

え? 一つだけ、それでも済まされない章がある? いやあ、まあ。それはまあ、おいおいと。


・エルキドゥの変容について
筋力から魔力までを変容させる「変容」ですが、あれは宝具を除いた『筋力・耐久・敏捷・魔力・幸運』の五つのパラメーターをいじる、というもの。そしてマスターごとに最大値は多少の上下があります。
地球がマスターとなると基本値をALL・Aにしてかつ変動値30をそのまま使える、とかいう超スペックに。変動値を付け足して全パラメーターをA+にしたりもする。どこかの真祖の姫もこういうえげつない事をやる。


・謎の盗賊団
そりゃあ逃げる奴もいるだろうよ、という話。
しかし、だ。黒い杉の森の反対―――エビフ山の向こう、神話にある『白い杉の山』からよみがえった大聖獣・デスフワワを人知れず水際で食い止めていた、美しい黄金の鬼がいたとしたら、キミはどうする?(A.ありえません)

December 26, 2016

December 26, 2016

Untranslated

2016/12/26 : 人理修復。(きのこ)

玉座を残して神殿は崩壊した。もはや獣の兆しはない。


一日明けて、2016年最後の一週間になりました。
『Fate/Grand Order』第一部、多くのプレイヤーの戦いによってめでたく完結となりました。
様々な困難に負けず、見捨てず、信じてここまでお付き合いいただき、まことにありがとうございます。

この一年、終章に焦点を合わせて生きてきました。
はじめてのスマホアプリ。この道具でどんな遊びが経験できるのか。味わってもらえるのか。
僕らは『ソーシャル的な価値』を『自分の生活の一部となる事』と捉えました。
いつでもどこでも『FGO』ができる。いつでも旅をしている。
いつでもサーヴァントを鍛えられて、話を進められて、自分の生活の一部になる。
そんな一年間を過ごしてもらった上で、最後の戦い、大晦日を迎える頃にあの結末に辿り着く事ができれば
ソーシャルゲームに踏み込んだ意義はあるだろうと。

結果はプレイヤーそれぞれのものですが、
一年間(実際は一年半だけどな!)付き合うに相応しい体験であったのなら幸いです。

それでは。
2017年からの『続き』もよろしくお願いします。



   ◆

さて。真面目な挨拶も済んだので、ここから恒例のネタバレトークとなりますよ。
マスター枠が黄色に変わっていないマスターにはまだ早いのでご注意の程を。




『色々と新素材山盛りだった七章に驚いた?
 残念、終章はそれを上回るご馳走攻めだーーー!』と言わんばかりの最終決戦でした。
マップも豪華、戦闘曲も豪華、シナリオも企画当初の予定……ゲーティアとロマンとマシュとフォウの話をするだけだから40kbで終わる。絶対……を大きく上回る200kb、と、もう作っているスタッフの脳内が時間神殿になっていましたが、
無事完成させる事ができました。
六章あたりからADVパートのお手伝いをしていたTMも終章は総動員で協力。
制圧戦戦後からの展開はサウンドノベルで培ってきた演出力をさりげなく発揮しています。


7章シナリオは10月の第一週、終章シナリオはついで10月終わりに納品されたものの、ご存じの通り、11月は七章とクリスマスの実装に全力疾走だった為、終章の組み立ては実質、一ヶ月となります。
この時のために羅生門、鬼ヶ島、と実験を重ねてきたので制圧戦の準備も万全でしたが、それでも修羅の如き行軍でした。
ゲームはスタッフ全員で作るもの。
そして良いゲームは一人の人間ではなく、多くのスタッフの熱意あって生まれるもの。
最後の最後まで戦って、終章をより良いものにしようとしてくれた皆さん。
素晴らしい仕事をしてくれたディライトワークスさんに感謝いたします。
スタッフみんなが頑張ってくれたんだ!

ここまでタイトなスケジュールになったのも、七章の直後に終章を始めたかったからです。
七章と終章は連続したものにしたい。途中にお祭りイベントは挟みたくない。
なので商業的にナンセンスなのは分かっているが、クリスマスは11月で済ませてしまいたい。
……そんな無理なお願いをアニプレックスさんもディライトワークスさんも、苦しみながらもその場で即断してくれました。
クリスマスよりストーリーを優先してくれたのです。
この一年、ともに戦ってきたスタッフさんだからこそ、この英断があったのだと思います。


とりあえず、クリア後はみなさんごゆっくり。年内はゆっくり種火とか幕間とかで過ごしてください。
暇な時はマイルーム→マテリアル→霊基一覧で、ボスのマテリアルとか読んでおくと今後、何かの足しになるかもだぞ?


   ◆


ところでシナリオの容量が増えたのは奈須のせいだけじゃないですよ、っと……。
それぞれの座の英霊集結シーンですが、2章、4章は桜井さんに、3章、5章は東出さんにお願いしたものなのです。

奈須「どんなシーンになるのか、サンプルとしてフランスチームを書きましたので、こんな感じで思いの丈をぶちまけてください。ただし製作が厳しいので戦闘前・後合わせて、各章につき10kbで。増えても15kbぐらいで。二章分、合わせて25kbぐらいが理想です」
桜井「了解! トランザム!」
東出「了解しもす! チェスト関ヶ原!」
奈須「……(一抹の不安を感じるも別件の仕事で忙しかったのであえて流す沈黙)」
桜井「二章分、提出します! 20kb! 四章分ももちろんトランザム! 20KB!」
東出「三章分、提出しもす! 20kb! おいどん五章も20kb! 死ねえきのこ!」
奈須「合計で20kbって言ったんだよ、なんで一章につきマックスまで書いてんだよ!? 空気読めよ、合計80kbの追加とかDWさんだって体力の限界があるっつーの!」
桜井・東出「終章は40kbで終わる、とか言っておいて120kb提出したアナタに言われたくはないですぅー!」
奈須「ぐぬぬ……それはそれとしてたいへん良い出来なのでDWさんには何とかこのままで実装していただこうと思います。よくやったな二人とも。さあ、この10ドルでクレオパトラを引きなさい。余った石はコーラにでも代えなさい。言うまでもないが、私は既にクレオパトラ宝具5だよ、ほっほっほ」
東出・桜井「わあ、きのこさんって思った通りのガチャ廃人なんだね! ノッブ(ステイ、の意)!」

これが終章があそこまでボリューミーになった理由の一つである。

もちろんゲーム面でも『特別の中の特別と言える戦いなので、とにかく最高のものを』と
魔神柱たちも財布の紐を緩めてくれました。
現実の資産同様、FGO内でも『年間のアイテム貯蔵量』が定められています。アイテム予算、というヤツですね。
その厳格なバランスも時間神殿でのみ緩め、とにかくドロップが美味しい制圧戦にしてくれました。
おかげでバンバンQPとアイテムが貯まって、みるみるスキルがあがっていく!
でもマーリンの英雄作成はLV7止まり。
なぜって……バルバトスさんが……オレが眠っているうちにバルバトスさんが……
おのれ人類、なんとしても滅ぼす……!
などと、人類の消費文明・競争社会の恐ろしさをマジマジと見せつけられる最高の制圧戦でした。
そうそう、人類悪ってこういう事よ。


そんな人類の欲望をがっり迎撃するゲーティア戦。
人理装填→アルス・アルマデル・サロモニス の開幕前衛皆殺しとかなんだそれ、とお思いでしょうが、
これまでの戦闘経験を生かせばなんとか打倒できる筈。
言うまでもなく最後の総力戦。令呪を残すなんてとんでもない!


そんなゲーティアですが、最後まで杉田さんの熱演が光っていました。
魔神柱たちのそれぞれの特色で人格の外部を語った後の、ゲーティアのあの厳めしく、攻撃的なボイス。
怒りに満ちた声ではあるが、それは憎しみではなく憤り、“何故”という苛立たしさからくるもの。
そういったゲーティアの特徴を見事に踏まえた、ラスボスに相応しいボイスでした。

Amazonで買い物する時、勢いでポチりそうな時に「何故求めるッ!」と脳内杉田ボイス。
そして届いた本を棚に積ん読すると「何故持て余すッ!」と脳内杉田ボイス。
まさに焼却式アンッドロマリウス。これだけで無駄な買い物を減らせると思います!

ちなみにレフこと魔神フラウロスについてちょっとだけ。
最後はそれぞれ感情を獲得する魔神柱ですが、フラウロスだけは早い段階で感情的でした。
他の魔神柱は機械的でしたが、レフは感情的に主人公を煽ってきました。
人間を煽るって事は、人間に感情移入しているという事。
なので最後まで「認めなかった&諦めなかった」のがフラウロスなら、
ただ一柱、マシュに感情移入していたのも―――


ラスボス関連の裏話と言えばデザインをしてくれた山中虎鉄さん。
実は劇場版UBWのメインビジュアル(凛とアーチャー)を描いてくれた縁を頼りに、
魔神柱のデザインをお願いしたのがきっかけです。
魔神柱のデザインはまさに一発で欲しかったものが出てきて、
「この人すごい……七章のティアマトもお願いできるかな……」と打診したところ、
またもや一発でティアマトが上がってきました。

ティアマトは虚数空間の繋がりもあり、桜系のキャラの究極としてデザインしてもらいました。
原初の母。無垢。少女。巨大。自縄自縛。黒桜の黒い泥の凄い版、ケイオスタイド。
それだけのキーワードで、あの頭脳体と真体が届けられたのです。
(他にもラフカットとか頭脳体(幼女)とか沢山ほどあるので、七章のマテリアルを待て)
また、最後の11体ベル・ラフムが魔神柱より強いのは、あれがティアマトにとっての『魔神柱の拠点』の扱いなので。
ゲーティア直属の使い魔72体に対し、ティアマト直属の使いの魔はあの11体のラフム、という事。
量より質だった訳ですね。でも即死耐性がついていなかったのデース!

さらにさらに、もうここまできたら魔神王ゲーティアのデザインもお願いしよう、となり、
デカキャラであるティアマトとは違うビースト、
人のフォルムのまま魔神柱たちの決戦使用となったゲーティアが生まれました。
流石は魔神柱の生みの親である山中さん。
怖ろしいが格好いい。禍々しいが神々しい、まさに『魔神の中の魔神』を僕らに届けてくれました。
七章、終章がRPGとして良いものになったのはあのデザインあってこそ。
サンクス、山中さん! あとはホームズの実装を待つだけですとも!


   ◆


唐突だがOPソングである『色彩』の話をしよう。
こちら、曲作りの際に坂本さんと打ち合わせをして物語のラストがどうなるかを説明し、
ゲームのテーマに合わせた曲を作っていただきました。
坂本「おおー。地球を作り直すって、そんな事できるんですか」
奈須「(驚くのはそこなんだ!)」
という当時の坂本さんの反応がたいへん可愛らしかったのを覚えています。
そうして『FGO』がサービス開始する前に『色彩』が届けられました。

奈須「―――勝った。この曲をもってFGOは完成した。後はラスボス戦に流すだけだ」

という気持ちの悪いオタクみたいな反応をしたのを覚えています。
それからの一年、『色彩』を聴きながら終章のイメージを広げ、ゲーティアの怒りと主張、
極天に降る流星雨と、シールドを振るうマシュの姿を夢想したものです。
そしてもう今だから白状しちゃうと、『FGO』のプロットは坂本さんの『スクラップ』を聴きながら
書いたものなんだ。ロマンが10年で得た答えと、スクラップの雰囲気がメチャクチャ近くて、
「FGO』のOPを決めろ? なら坂本真綾のスクラップがいい」と武内に返したところ、
それなら坂本さんに新曲をやってもらおう、という話になったんだなこれが。
それを打ち合わせの時に告げて、
「スクラップのような、早いビートでありつつ、根底には寂しさと力強さと打開していく言葉の強さがほしい」
とオーダーし、坂本真綾は見事にそれに応えてくれました。

『色彩』は勇気をもってゴールまで駆け抜ける詩。
『スクラップ』は間違いだらけで意味なんかなかったかも知れないけど、愛と希望の物語。
そんな訳で終章を終えたのならこの二曲をフルできっちり聞いて欲しい。
冬の晴れた空を見上げながら、これまでの一年を振り返るように。


   ◆
























  ◆

 カルデア館内は大いに沸き立っていた。
 戦いに勝利し、生還した事だけではない。
 外部と連絡が取れた事が“世界の広がり”を職員に知らしめ、
 これからやってくる来訪者たちを出迎える心構えを与えたからだ。
 雪山に設置していったものは信号装置で、
 あれを頼りに下界から輸送ヘリが飛んで来るという。

「では先輩、一時間後にラウンジで!」

 マシュと別れ、ひとりカルデアの通路を行く。
 管制室から届く雑音が人の営みを感じさせ、心を和ます。
 この一年慣れきった手順で通路を横断し、自分の部屋に辿り着く。
 軽い空気音。
 聞き慣れたマイルームのドアが開く音。
 ついで、

“はーい、入ってまー―――って、うぇええええええ!?
 誰だ君は!? ここは空き部屋だぞ、ボクのさぼり場だぞ!?
 誰の断りがあって入ってくるんだい!?”

 いつか見た、まだ名前も知らなかった頃の思い出を聞く。
「――――――」
 無論、幻聴であり、錯覚だ。
 遠くから聞こえるスタッフの笑い声が、そういう風に聞こえただけの話。
 俺/わたし は 顔を上げて/うつむいて、唇を噛んで、 こみ上げるものを必死に堪えた。
 それがあの人物に向ける、当然の感謝だと信じるからだ。

 さよなら、ドクター・ロマンティック。
 この空耳が、いつか美しいものに変わりますように。

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